「幼な子われらに生まれ」by重松清より

赤ちゃんプレイに癒される主人公が、心理学が専門の元妻に聞く。
「そういうのっておかしいのかな?」

元妻「そんなことないわよ。
男のセックスって要するに射精。
自分の体の中にあるものを外に出すわけだから一種の解放。
過剰なものを排出するというか重荷をおろすというか。
そう考えるとどういうふうに解放すれば快感を覚えるかは、言ってみれば自分自身をどんなふうに解放したいかということ。

ついでに言えば、女のセックスは自分の体の中になにかを入れること。
だから、どんなふうに満たされたいかでいまぽっかり欠落しているものも読みとれるわね」

男は解放したい。
女は満たされたい。

私はどんなふうに満たされたいんだろう?

☆☆☆☆☆

重松清はいちおしの作家。
「流星ワゴン」「幼な子われらに生まれ」はホント切なくて哀しい。
家族関係と30代後半の微妙な心理を描かせたらこの人の右に出るものはない・・と私は勝手に思ってます。

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