昼食のカレーを食べ終えてダンナが言った。

「あした検診だから。きょうは夜8時以降食事禁止で、あしたは朝抜き」
そして仕事カバンからおもむろに検査用セットを取り出す。

なにげに見た私の目に飛び込んできた文字は・・・
「正しい大便のとり方」。
「大便」などという言葉はあまりにもミもフタもない表現。
しかも「正しい」・・・?

先に説明書を読んだダンナは、爆笑しながら私に手渡す。
そこには丁寧に図と写真入りで「正しい大便のとり方」が指南してある。
「とり方」は、バナナ状のソレから「まんべんなくこすりとる」(図入り)ときた。
とる量は「先端のミゾに埋まるくらい」ということで、ここは写真入り!ミゾには何やらカレー状の物体が・・・。
おまけに、説明書の最後にドラクエのスライムに手足がついたようなキャラが「正しく検査をして健康でいようネ」とにっこり。

「とった後は冷暗所に保存か・・・」とダンナ。・・・冷暗所。
いやな予感がするが打ち消す。

数時間後。
夕ご飯の準備のため、ドキドキしながら冷蔵庫を開ける。ソレらしきものは見当たらない。
こういうものは鮮度が命。検便だって検尿だって当日の朝と決まってる。
それにいくらダンナが気が利かないって言ってもまさか冷蔵庫なんかには・・・。

なんて思いながら、野菜室を開ける。
ああっ!
野菜室にはおよそ似つかわしくない折りたたんだ茶封筒が!

でもダンナを追求はしないでおいた。
見て見ぬふりしてあげるのが「オトナな態度」だろう。

・・・その晩、検便と同居のキャベツやキュウリを食べる。
娘「おかーさん、これおいしいねー。どこのドレッシング?」
私「それはねーキューピーのねーカロリーハーフじゃないヤツ」。
微妙な味わいであった。

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