先週購入した新しい電子レンジには「石窯メニュー」キーというのがある。
日曜に、ピザやパンがおいしく焼けそうなので挑戦。
普段は買わない「全粒粉」「アーモンドスライス」などなど買いに行き、ついでにひさしぶりに「バニラエッセンス」も買う。
コドモたちが小さいころはよくパウンドケーキやマドレーヌなど焼き、バニラエッセンスも使っていたが、ここのところ省いていた。
ひさしぶりに手にとるバニラエッセンスの小瓶は私が子供の頃とデザインもあまり変わっていない。
この「魔法の水」には文字通り「苦い思い出」がある。
私が子供のころ、よく母はお菓子を焼いてくれた。
そのときだけ使う「バニラエッセンス」にとても心惹かれたのを覚えている。
なんといっても香りが最高に良いのだ!!
甘い甘いバニラの香り・・・。
今だって小瓶をあけてにおいをかぐと「ああ〜・・・」とうっとりする甘いにおい。
私が育った田舎の台所にはいかにも不似合いな最高級な都会の香りがした。
こんなに甘い香りなのだから、なめてみたらどれだけ舌がとろけるような味か・・・。
幼少の頃の私は母がお菓子を焼くたびにそばに寄っていってみては、バニラエッセンスの味見ができるチャンスをうかがっていた。
でも母は「特別の魔法の水だからね」と仕上げに一振りするだけでそのへんに置いておくこともなかったし、どこにしまってあるかもわからなかった。
それは忘れもしない、小3の夏休みのこと。
いつものように私はお菓子を作る母のそばにいた。
仕上げのエッセンスを一振り、というときになって突然「回覧板だよ〜」と隣のおばちゃんが来たのだ!
チャンス!!
これを逃したらいつ味見の機会が訪れるかわからない!
茶色の小瓶をつかみ、大きく開けた口の中に思い切り振り入れた。
5滴ほど。
・・・・・!!!!
その「魔法の水」はあんなにも甘くかぐわしく人を酔わせる香りにもかかわらず、味は似ても似つかない苦いものなのだ。
舌がとろけるほどの甘い味を期待した子供の舌には強烈すぎた。
そのときの私の顔は忘れられないとあれから30年以上たった今でも母の笑い話になる。
そして娘。
うちの台所でバニラエッセンスの小瓶を見つけて「あーー!これこれーーっっ!!」。
学校でお菓子を作ったとき、友達のうちでクッキーを作ったとき、甘い香りにそそられ一度でいいからなめてみたかったという。
「いいよー味見してみれば?」
「おかあさんやってやって!!」とうれしそうにぽっかりと口をあける娘。
「いくよおー。魔法の水だよおー」と娘の口の中に一滴・二滴・三滴。
娘「う゛え゛―――っっっ。まずっっっ!!」。
ばっかだなあーとかわいくて大笑い。
私もこのときの娘の顔は一生忘れないだろう。
日曜に、ピザやパンがおいしく焼けそうなので挑戦。
普段は買わない「全粒粉」「アーモンドスライス」などなど買いに行き、ついでにひさしぶりに「バニラエッセンス」も買う。
コドモたちが小さいころはよくパウンドケーキやマドレーヌなど焼き、バニラエッセンスも使っていたが、ここのところ省いていた。
ひさしぶりに手にとるバニラエッセンスの小瓶は私が子供の頃とデザインもあまり変わっていない。
この「魔法の水」には文字通り「苦い思い出」がある。
私が子供のころ、よく母はお菓子を焼いてくれた。
そのときだけ使う「バニラエッセンス」にとても心惹かれたのを覚えている。
なんといっても香りが最高に良いのだ!!
甘い甘いバニラの香り・・・。
今だって小瓶をあけてにおいをかぐと「ああ〜・・・」とうっとりする甘いにおい。
私が育った田舎の台所にはいかにも不似合いな最高級な都会の香りがした。
こんなに甘い香りなのだから、なめてみたらどれだけ舌がとろけるような味か・・・。
幼少の頃の私は母がお菓子を焼くたびにそばに寄っていってみては、バニラエッセンスの味見ができるチャンスをうかがっていた。
でも母は「特別の魔法の水だからね」と仕上げに一振りするだけでそのへんに置いておくこともなかったし、どこにしまってあるかもわからなかった。
それは忘れもしない、小3の夏休みのこと。
いつものように私はお菓子を作る母のそばにいた。
仕上げのエッセンスを一振り、というときになって突然「回覧板だよ〜」と隣のおばちゃんが来たのだ!
チャンス!!
これを逃したらいつ味見の機会が訪れるかわからない!
茶色の小瓶をつかみ、大きく開けた口の中に思い切り振り入れた。
5滴ほど。
・・・・・!!!!
その「魔法の水」はあんなにも甘くかぐわしく人を酔わせる香りにもかかわらず、味は似ても似つかない苦いものなのだ。
舌がとろけるほどの甘い味を期待した子供の舌には強烈すぎた。
そのときの私の顔は忘れられないとあれから30年以上たった今でも母の笑い話になる。
そして娘。
うちの台所でバニラエッセンスの小瓶を見つけて「あーー!これこれーーっっ!!」。
学校でお菓子を作ったとき、友達のうちでクッキーを作ったとき、甘い香りにそそられ一度でいいからなめてみたかったという。
「いいよー味見してみれば?」
「おかあさんやってやって!!」とうれしそうにぽっかりと口をあける娘。
「いくよおー。魔法の水だよおー」と娘の口の中に一滴・二滴・三滴。
娘「う゛え゛―――っっっ。まずっっっ!!」。
ばっかだなあーとかわいくて大笑い。
私もこのときの娘の顔は一生忘れないだろう。
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