関白宣言

2003年10月22日 日常
♪しあわせはふたりで 育てるもので
 どちらかが苦労して つくろうものではないはず

さだまさしの「関白宣言」である。
日曜9時「末っ子長男姉三人」は内容はともかく、主題歌を歌うポルノグラフィティ(のアキヒト)と岡田くんが好きという理由で見ている。

岸恵子扮する超マイペースのおかあさんがさだまさしファンでドラマ中に曲が流れる。
前回は「精霊流し」・今回は「関白宣言」。
さだまさしといえば♪ルールールルルルー(北の国から)。
言葉の入っているさださんの歌はひさしぶりで耳にする。

「関白宣言」がはやったのは中高校生の頃だったか。
中学生の頃から深夜放送を聴くのがなんとなく「オトナ」って気分の年頃で、ラジカセをセットしておいて好きな曲が流れるのを待って録音したなあ、などと当時の苦労を思い出す。
当時の私にとって「関白宣言」はいかにも男が偉ぶってる歌詞に聞こえ、「なに?この歌!」と素直に聞けなかった。

今回、ひさしぶりにドラマ中で聞いて、
♪忘れてくれるな 仕事もできない男に 家庭を守れるはずなどないってことを
♪姑小姑かしこくこなせ たやすいはずだ愛すればいい
♪人の陰口言うな聞くな それからつまらぬシットはするな
などなど、ふーん・・なかなかいいこと歌ってたのね、なんて懐かしく聞く。

結婚して15年もたつと食事もすっかり子供中心のメニューが定着し、ダンナが帰ってくるときには私もコドモたちも寝ていることも多い。
第一生命恒例のサラリーマン川柳にあるように「まだ寝てる 帰ってくれば もう寝てる」を地でいく生活である。
そういえばダンナはいつも私のジャージ・すっぴんの姿しか見てないだろう。

そしてこのフレーズ。
♪しあわせはふたりで 育てるもので
 どちらかが苦労して つくろうものではないはず
・・・偉そうな「男上位」なだけの歌じゃなかったんだ・・・と私は今になってさださんの歌を誤解していたことに気づく。

ドラマで流れたのは2番までだったが、たしかこの歌には3番があったはず、と聞きたくなり、さだまさしファンの主婦仲間から古いテープを借りて聴く。
「関白宣言」フルコーラス!
1・2番の軽快な曲調のあとに柔らかな静かな優しい感じの3番が流れる。

♪子供が育って年をとったら 俺より先に死んではいけない
 例えばわずか一日でもいい 俺より早く逝ってはいけない
 何もいらない俺の手を握り 涙のしずくふたつ以上こぼせ
 お前のおかげで いい人生だったと
 俺が言うから 必ず言うから
 忘れてくれるな 俺の愛する女は
 愛する女は 生涯お前ひとり

・・・・やられたーーーーー・・・。
さださんに丁寧に歌われる言葉のひとつひとつがストンと胸に落ちる。
熱いものが広がったかと思うと涙がこみあげ、私は泣いていた・・・。
ダンナとはこのまま歩み寄れないだろうが。

この歌が当時大ヒットしたのは歌詞をしっかりと受け止め支持した人たちが多かったからなんだな。
言葉の表面しかとらえられなかった当時の私には理解できなかったけど。
それにしても、さださんの歌声って(20年以上前のだが)ほんとにきれいで「言霊(ことだま)」という言葉を思う。
人に向かって放たれた言葉にはたしかに魂が宿るのだ・・・。

私もそのうちドラマ中の岸恵子みたいに「まっさん命」なんて書いたウチワを持つようになるかもしれない。
ごめんよ。アキヒト。

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