マツタケのピザ

「きのう、マツタケのピザ食べたんだ。おいしかったあ〜」。
主婦仲間が言う。
近所にデリバリーピザ屋がオープンし、現在のそこのウリがマツタケのピザらしい。
うーん・・・。
マツタケのピザ。
おいしいんだろうか？？？

残念ながら、マツタケを食べてうまいっっっ!!と思った記憶はない。
何度も「マツタケご飯」と名前のつくものは食べている。
「マツタケのお吸い物」「土瓶蒸し」なども食べている。
でもしょせん、ファミレスや居酒屋程度のところで食べたものだからほんとうのマツタケじゃないかもしれない。
だから本当に「マツタケってうまいなあ!」と思ったことがない。
きっと本来の味のものを食べないと、どんなにおいしいものでもおいしいものだと思えないのだろう。

私が育った地方は新鮮な海産物が豊富な地域だ。
地元で食べるウニ・イクラ・筋子・タラコ・カニ・刺身・魚介類などはたしかに「うまいっっっ!!」と感じる。
それを子供のころから食べてきたので、こちらのスーパーではお刺身なんて買う気にならない。
値段が高い上になんとなく刺身かなー・・って程度の味しかしないから。

海のパイナップルと呼ばれる「ホヤ」という海産物がある。
ちょうど夏に実家に行くとスーパーでは殻つきのホヤがどこでも売られていて、新鮮なそれを買ってきてさばいて食べるのが楽しみ。
ホヤの味は独特で「塩味・甘味・苦味・酸味」すべてが一度で味わえるなんともいえない風味だ。
関東では居酒屋や料亭などでしか食べられないらしいが、たいていの人は「えっ!?あのまずい変なヤツだよね」と言う。
おいしいものなのに・・・。
シイタケやマツタケ・シメジなどのきのこ類も実家で食べるものは風味が濃く、食感だけのスーパーのものとは別物だ。
トマトやキュウリなどの野菜だって地元の畑で採れた新鮮なものは味が違う。
北海道で食べたトウモロコシやアスパラ、サクランボやホッケは私がそれまで食べていたものとは似て非なるものだった。

それと同じできっと私は今まで「うまいマツタケ」を食べていないのだろう。
それにしてもマツタケのピザとは。
キノコのピザなら味の想像がつくが、何もわざわざマツタケをピザにしなくてもいいんじゃないか。

ウニやイクラがパスタになっているのを見るともったいないなー・・と思う。
やっぱりウニやイクラは白いご飯が似合う。
刺身はカルパッチョじゃなくしょうゆとわさび!
うまいシイタケやマイタケだってあぶってしょうゆで食べるのが一番だ。

食材はシンプルに素材の味を生かして食べたいと思うけどなあ。