ピンクのチラシ

2003年12月21日 日常
用事があって街に出る。
「街に出る」というのは電車に乗って出かけること。
目的地が同じでも車で行くときは服装があまり気にならないのに、電車で行くときはお出かけの服で行かなくちゃと思うのはなぜなんだろう。
われながらフシギである。

ひさびさに出た「街」はクリスマスらしくイルミネーションに彩られ、行き交う人々も冬の装い。
クリスマスのかわいい小物類を見ながら楽しそうに選んでいる親子連れや恋人たちを見るとしあわせそうで、今年もそんな季節だなあと思う。

ふだんの移動はもっぱら車で、そのために季節感がまったくないジャージ出勤などをしてしまっている私は、なんだかひとり季節に取り残されたような気になる。
今年はいつもより特に季節が駆け足で過ぎていくように思う。

街の駅前のデッキではよくティッシュや割引券が配られている。
最近でこそ消費者金融関係のティッシュが2・3個手に入る程度だが、数年前はそこを行き来するだけでポケットティッシュが10個も20個ももらえたものだ。
そして以前はよく私も「もういいかげんにして」と言いたいくらいテレクラのティッシュがもらえたものだが・・・最近はごぶさた。
テレクラ業界が下火なのか景気が悪く消費者金融が幅をきかせているのか、はたまた私がそのターゲットではなくなったのか・・・。

デッキ上では寒風吹きすさぶ中、きょうもティッシュや割引券が配られている。
自分から手を出したりはしないがタダでもらえるものはいただくほうなので、さりげなくその前を通る。
美容院の割引券、消費者金融のティッシュが配られる。ロッテリアの割引券もいただく。
次にもらったティッシュは一瞬薬の広告かなと思ったが良く見ると「エスタック・ラブ」というテレクラのティッシュ。
ロゴも色も「エスタック・イブ」のパクリ。
「さびしいあなたに愛の処方箋」。
ほうー。以前ダンナが借りてきたエロビデオ「ほのぼのレイプ」なみのネーミングのセンスに感心する。

「人妻専用」と「熟女専用」と私はどちらに電話すればいいのかと思いながらデッキの階段をおりていくと・・・
オールバックに黒服というあやしいいでたちのおにいさんがピンクのチラシを配っている。
なんだろう。
さりげにそれををもらえるように歩いていったのだが・・・なんと私はそのおにいさんにシカトされてしまった!
・・・そのチラシのターゲットではないと判断されたのだ。
スカートはいてたのになあ・・・と少しカナシイ思いをして階段をおりる。

と、そこには!
黒山の人だかり。
毛糸の帽子をかぶったりグレーや茶のぼってりした上着をはおったりしたオバの軍団である!
さきほどのピンクのチラシを受け取った人々はそこに流れている。
50代から60代と思われるオバたちはわれさきにと争いながらティッシュの箱の大きさのものをもらったりしている。

「はいはい、あと残り○個!」とあおる低く抑えたダミ声。
「健康にはこれしかない」とか「ゲルマニウム」とかいう言葉も聞こえてくる。
どうやらあやしげな健康器具だか健康食品を買わせるためのデモのようであった。
あー私はこのターゲットではなかったのねえー。ほっ。
なんでもかんでももらえばいいってものでもないな、と反省しつつ、あれを差し出されるようなオバにはならないようにと自戒するのであった・・・。

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