コドモたちがお年玉を貯金するというのでしまっておいた通帳を出してきてやる。

自分のと兄の通帳をしばらく見比べていた娘が言う。
「なにこれ?にーちゃんのにだれかお金入れてる。・・・リ・・リコ?」。

ふふーんと気づいた私と息子は娘にバレないよう目配せをする。
私「ああー。そうそう。ときどきね、リコさんがお金入れてくれるんだよ」。
息子、真顔で「そうだよ。知らないの?郵便局の知り合い」。

娘「ええー?なんで私のにはないの?」。
私「ああ、あんたのはね、国際ボランティア通帳ってシールはってあるでしょ。リコさんからのお金はもらわないでそのまま寄付するのになってるから」。
娘「ずるーい!私もリコさんからお金もらいたいーー!にーちゃんだけずるーい!」
・・・泣きそうである。そりゃそうだ。
もらえるものはもらいたい。
自分だけもらえないのは不公平だ。
娘はそう思うだろう。

息子が「利子」のことを聞いてきたのも娘と同じ学年のときだった。
低学年のころから32円とか56円とかわずかずつだが誰か女の人が自分の通帳にお金を入れてくれていると思っていたらしい。
たいていは「利子」とあるが、たまに「受取利子」となっているので「みょうじがちゃんとあるんだー」と息子は思っていたそうだ。
それが「リコさん」という女の人ではなくて「利子(りし)」だと知ったのはたまたま友達と話していた4年生のときのことで、そのとき私と息子は大笑いしたのを覚えている。

「やっぱりさ、教えてあげようよ。あとで恥かいたらかわいそうだよ」と娘が風呂に入っているとき息子に言ってみる。
すると「いいんだよ。そういう経験を積み重ねてコドモは成長するってワケ」。
妙にオトナっぽいことを言う息子にまた笑ってしまったが、ま、それもあるかな。
娘にもしばらくナゾの女「リコさん」に思いを馳せてもらおう。

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