「ミノムシは大きくなったら何になるんだろう?」。

1月24日の日記で「息子の自転車とミノムシ」について書いたあと、ずっとひっかかっていたことだ。
ガになるんだろうなあーとは想像できるが・・・。

職場の図書室でたまたま「ミノムシの一生」という本が見つかる。
なんとその本には「ええー?」と思うようなミノムシの生態が書かれてある。

「ミノムシはオオミノガまたはチャミノガの幼虫。
秋から初夏にかけて庭木や街路樹などに枯れ葉や小枝でミノを作る」。
春から秋まではミノのまま移動もし、植物の芽や葉を食べるという。
「成虫になり外へ飛び立つのはオスだけ。
メスは成虫になっても羽も足もない幼虫と同じイモ虫形で、一生をミノの中で過ごす。
飛んできたオスと交尾し、ミノの中に産卵すると一生を終える」。
ミノの中が卵でいっぱいになりその上のほうでメスが小さくしなびているような図もある。

・・・・そんな人生(虫生)って???
ミノムシのメスの一生を思うとなんだかあわれになる。
あのミノの中で外の世界も知らず、何を思い何を考え一生を終えるのか。

・・・と思うが、いやいや待てよ。
それは人間の一方的な考えかもしれない。
考えようによっては、あたたかい寝床にくるまって何もわずらわしいこともなく過ごせるなんて快適なのかもしれない。
そしていつか訪れる王子様を待ち子供を生んで一生を終えるのだ。

「ラプンツェルは金髪の長い髪がとても美しいお姫様で、階段も出入り口もない塔の中に閉じ込められていました。
あるとき秘密を知った王子が塔にのぼってきました」
というラプンツェル姫、
「いばら姫は糸巻き車の針にさされて100年の眠りにおちました。
いばらの奥深くで眠りながら王子がくるのを待つのです」
といういばら姫を思う。

ゲージ飼いのうちのハムちゃんだってそう変わらないだろう。
好きなように行動できる人間が幸せで一生をミノの中で過ごすミノムシが不幸せだなんて、比べられることではないのだ。
「しあわせ」はものの見方なのだから。
私はミノムシ姫になりたいとは思わないけど。

さて、冬の風物詩にもなっているミノムシが、ここ数年急激に減少しているという。
原因はオオミノガに寄生するオオミノガヤドリバエの出現。
ミノムシは「絶滅の危機」に瀕しているらしい。
冬の枯れた小枝に揺れるミノムシ・・・これももう見られない古きよき時代の風景になってしまうのか。

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