「文学賞メッタ斬り!」
2004年6月12日 読書
「文学賞メッタ斬り!」 大森望・豊崎由美 を読む。
本文中「タイミングをはずす直木賞」より。
「豊崎 直木賞は賞をあげる時期、作品を間違えてる確率が高 い。
宮部みゆきさんの直木賞は遅すぎですよね。
なにも『理由』でやるこたあないだろう。
浅田次郎に『鉄道員(ぽっぽや)』でやったり。
『蒼穹の昴』が落ちて『凍える牙』(乃南アサ)がとったときの驚きは忘れませんよ。
大森 でも『鉄道員』は直木賞らしい短編集なんじゃないの。
豊崎 だめですよおー。だって浅田さん薄笑い浮かべながら書いてるんだもん。
お話の引き出しをいっぱい持ってるから『泣けるやつ?はいはい。これどうぞ』ってな もんでしょ。
小手先のテクニックだけでかけちゃうような作品に賞をあげて『蒼穹の昴』みたいな渾 身をこめて書いた労作にあげないんじゃ作家の励みにもならないし『こんな程度のも んが世間ではウケるんだ』なんて思わせたらその後の創作人生にも悪い影響を及 ぼすっちゅーの。
大森 それをいうなら『4TEEN』(石田衣良)だってそうでしょう。
あざとさでは浅田次郎と似たようなもんですよ。
でもそういうあざとさが悪いとは思わないなあ。
浅田次郎だって『うわあ、あざとーい』と笑っちゃうようなところがおもしろい。狙った演 歌ポップスみたいな。(注・まさに!しかも全編これサビの)」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翻訳家大森望さんとライター豊崎由美さんによる言いたい放題の対談集。
無数の文学賞を明快かつわかりやすく分類整理する目的で、賞の「格」や「権威」についてもお二人の独断と偏見で判定されている。
特に「ROUND4 選考委員と選評を斬る!」ではジュンちゃん(渡辺淳一)やツモじい(津本陽)、ヒロちゃん(五木寛之)、テルちゃん(宮本輝)などの選評を具体的にあげて好き勝手言っているので思わず爆笑。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
以前も日記に書いたが、私の将来の夢は「直木賞作家」(今も昔も)。
売れっ子作家というのは着飾ってパーティに出たり海の見える別荘で若いオトコをはべらせたり・・・というイメージがあったから。
「楽して金持ち」の象徴が作家だった、ってそういう理由で。
ま、今となっては何事もそんな甘いもんじゃないということくらいわかるが。
でもやっぱりイブニングドレスを着てインタビュー、なんていくつになってもあこがれる。
「印税生活」なんて響きもかっこいいし。
「文学賞メッタ斬り!」。
表紙もかなりインパクト大で、いろんな裏話も入っているので本が好きな人にはおすすめの一冊。
本文中「タイミングをはずす直木賞」より。
「豊崎 直木賞は賞をあげる時期、作品を間違えてる確率が高 い。
宮部みゆきさんの直木賞は遅すぎですよね。
なにも『理由』でやるこたあないだろう。
浅田次郎に『鉄道員(ぽっぽや)』でやったり。
『蒼穹の昴』が落ちて『凍える牙』(乃南アサ)がとったときの驚きは忘れませんよ。
大森 でも『鉄道員』は直木賞らしい短編集なんじゃないの。
豊崎 だめですよおー。だって浅田さん薄笑い浮かべながら書いてるんだもん。
お話の引き出しをいっぱい持ってるから『泣けるやつ?はいはい。これどうぞ』ってな もんでしょ。
小手先のテクニックだけでかけちゃうような作品に賞をあげて『蒼穹の昴』みたいな渾 身をこめて書いた労作にあげないんじゃ作家の励みにもならないし『こんな程度のも んが世間ではウケるんだ』なんて思わせたらその後の創作人生にも悪い影響を及 ぼすっちゅーの。
大森 それをいうなら『4TEEN』(石田衣良)だってそうでしょう。
あざとさでは浅田次郎と似たようなもんですよ。
でもそういうあざとさが悪いとは思わないなあ。
浅田次郎だって『うわあ、あざとーい』と笑っちゃうようなところがおもしろい。狙った演 歌ポップスみたいな。(注・まさに!しかも全編これサビの)」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翻訳家大森望さんとライター豊崎由美さんによる言いたい放題の対談集。
無数の文学賞を明快かつわかりやすく分類整理する目的で、賞の「格」や「権威」についてもお二人の独断と偏見で判定されている。
特に「ROUND4 選考委員と選評を斬る!」ではジュンちゃん(渡辺淳一)やツモじい(津本陽)、ヒロちゃん(五木寛之)、テルちゃん(宮本輝)などの選評を具体的にあげて好き勝手言っているので思わず爆笑。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
以前も日記に書いたが、私の将来の夢は「直木賞作家」(今も昔も)。
売れっ子作家というのは着飾ってパーティに出たり海の見える別荘で若いオトコをはべらせたり・・・というイメージがあったから。
「楽して金持ち」の象徴が作家だった、ってそういう理由で。
ま、今となっては何事もそんな甘いもんじゃないということくらいわかるが。
でもやっぱりイブニングドレスを着てインタビュー、なんていくつになってもあこがれる。
「印税生活」なんて響きもかっこいいし。
「文学賞メッタ斬り!」。
表紙もかなりインパクト大で、いろんな裏話も入っているので本が好きな人にはおすすめの一冊。
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