実家の母と電話で話していたときのこと。
最近のワイドショーにはあきれる、という話になる。

母が言う「最近」というのはいつのことか不明だし、私が昼間からテレビをみることはまずない。
だから真偽のほどはわからないのだが、母がいうには「ヨン様関係のくだらない情報が多すぎる」とのこと。

母はBSの「冬のソナタ」からのヨン様ファン。
「そのころは情報がなくてどっぷりと夢を見られた」のだそうだ。

最近では週刊誌にもヨンさま関係の情報が載らないことはなく、「ヨン様はチヂミ売りの少年だった」とか「整形天国の韓国。子供のころの写真と今のヨン様をくらべると違いすぎる」とか、確かにファンにそのまま「夢見る乙女」でいさせないような現実があれこれ暴露されている。
そして、昔の出演作でのぜんぜんあかぬけてないヨン様や今の「スキャンダル」の妖艶な流し目のヨン様・・・。
おまけに、母が言うには来日した生ヨン様が限りなくイメージをぶちこわした、とのこと。

母にとっては「冬ソナ」のミニョンさんのイメージだけでいいのに、それ以外の雑多な情報が入りすぎたために、今地上波で「冬ソナ」は見ていても現実に引き戻されて「酔えない」というのだ。
「BS冬ソナ」から入った母の茶飲み仲間も同じことを言って嘆いているという。
ははーんなるほどね、と母の気持ちはよくわかる。

私は「ヨン様来日」という情報番組で初めてじっくりとヨン様を見た。
生ヨン様から入ったので、最初の素直な感想は「なーんだ。騒がれていた微笑の貴公子ってこの程度?」・・・。
母や主婦仲間が「冬ソナ」にかなりのめりこんでいたし社会現象にもなっていたのが正直よくわからなかった。

その後、「なぜ?」と思い、週刊誌や雑誌を読んでみる。
すると「ヨン様の歯並びは不自然」だのなんだのかんだのくだらない情報。
そして新作「スキャンダル」では腰使いもあやしいプレイボーイの役、とかいう情報。
ふーん・・・と思いつつ、NHK「冬ソナ」を見る。

そして理解するのである。
母はじめ多くの女性たちがのめり込んで恋しているのはヨン様その人ではなく、冬ソナのミニョン(またはチュンサン)であることを。
ミニョンさん、かっこよすぎるのだ!
髪形も服装も・・・立ち姿までもが風情があり笑顔も限りなくさわやか。
それは週刊誌などで見かける生ヨン様ではなく・・・下半身や下心などまったく持ち合わせていないかのような清潔感あふれるミニョンさん。

愛の言葉やいいセリフなどのここぞというときにはアップになり、まさにテレビを見ている人に語りかけてくれるかのよう。
「愛しています」「道に迷ったときはポラリス(北極星)を探して」「自分で選択できないときは腕を引かれたほうに行ってみるのもいい」。
などなど、いつでも自分を全身全霊で受け止めてくれる理想の男性像がそこにはあった。
そしてポロポロリン♪というあのピアノのメロディがかぶると・・・これにはさすがに私も胸がキュンとなる。
思わず夜中にテレビの前に正座してしまうのであった。

雑多な情報から入ったヨン様ファンではない私でさえそうなのだから、なんの情報もなくいきなり「BS冬ソナ」から入った方々はさぞのめりこんだことだろう。
ファンならどんな小さな情報でも知りたいもの・・というわけではない。
自分の心の中で作り上げた理想像をそのままそっとしておいてほしいときだってある。
70のばーさんの密かな楽しみを奪うとはワイドショーも酷なことをするものである。

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