サッカーチームOBの暑気払い大会がある。
明るいうちにバーベキューをしたあと、親たちは夜の部へなだれこむ。

息子が小学校時代、プラスにもマイナスにもかなりお世話になったサッカーチーム。
まあ、いろいろとあったからこそ母子ともに微妙な感情がうずまいていたチームだった。

チームのメンバーたちはそれぞれの中学に行ってもサッカーを続けている。
息子含めて何人かは別の部活へ進んだ。
他の子と争って勝たなければポジションを勝ち取ることができない。
体育系クラブにはつきものの当たり前のこと。
そしてそれは子供本人の実力のはずなのだが・・・。

小学生時代は、なぜか母たち本人の争いであるかのように燃える・・・そんな体質が私にはどうもついていけなかった。
というより、うちなどは早々にポジション争いから脱落していたおかげで、一歩距離を置いてみることができた。
息子の活躍のために一生懸命になる母たち。
のめり込むほどに、息子が試合に使ってもらえないと陰でグチを言う母たち。

もし息子がチームの中で活躍するような子だったら、きっと私も彼女たちのように毎週のようにグランドに出ていただろう。
うまい子が偉くてへたな子を軽く見る、そんなへんな優越感をも持ってしまっていたかもしれない。
そして、もしポジションがもらえるかどうかのボーダーラインの子だったら、母としてのねたみなどのマイナスの感情に支配されていたかもしれない。

「OB会」のお知らせが来たときは、正直言ってどうしようと思ったが行ってよかった。
「記憶」は、「時間」によって浄化され良い思い出だけが残る。
チームを離れて何ヶ月しかたっていないのに、なんだかメンバーの母たちやコーチたちがなつかしく同窓会みたいな楽しい雰囲気だった。
息子も初めは「行きにくいなー」などと言っていたが、友達と笑っている息子の顔を見ると、来てよかったなあと思えた。

以前までの微妙な人間関係や損得関係から「卒業」したチームOBの集まりは、同じ熱い時代を共有したというだけの関係。
まだ現役のサッカー部の母たちや子供たちにとってはどうだか知らないが。

母やコーチたちの「夜の部」では、いつものグループサウンズやピンクレディーのカラオケで盛り上がり、さらにヨン様や韓国スタアたちの話で盛り上がり・・・。
私はアルコールに弱く、目の前に「ビール」「ライムサワー」「ウーロン茶」「ジンジャーエール」などのグラスを並べ、一杯のサワーを茶やジュースなどとともに3時間かけて飲む、というペースなのだが、みなさんかなりお強い。
飲み放題なのでメニューも見ずに、ガンガン注文していた。

メニューをじっくり見ていたら、サワーにはなかなかしゃれたネーミングがほどこしてある。
その中で・・・「巨乳サワー」。
私はそのときすでに許容量を超えていたので、隣にいた主婦仲間に言ってみるが・・・「ちょっとこれってオーダー恥ずかしいよね」と引き気味。

でも気になるー。なんだろう、巨乳サワー。
すると近くにいたすっかり出来上がったコーチがオーダーしてくれる。
「巨乳サワーいっちょー!」そのでかい声に一同騒然。
「なになにっ巨乳サワーって」「あー磯野さんが飲みたいっていうからねー」・・・。
そして運ばれてきた「巨乳サワー」にみなさんの目は釘付け。
淡い紫色をした乳白色のドリンクの中で氷が揺れる。

コーチ、一口飲んで「まずっっっ!」。
私も全部は飲めないので少しずつまわし飲みする。
利き酒の結果、おそらく「巨峰+カルピス+サワー」だろうということに。
ウイスキーだの日本酒だの飲んでる男性陣には甘ったるくてまずかったかもしれないが、女性にはかなり飲み心地もよくジュースのよう。
一度オーダーしてしまうと巨乳サワーだろうがなんだろうが抵抗もなくなり、その後何度も「巨乳サワー!」のオーダーが飛び交っていた。

OB会、次回は年末か年明けだそう。
以前は気が重かったサッカーチーム関連の会が楽しみになるなんて、人生どう流れていくかわからないもんだなあ。

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