「残虐記」桐野夏生を読む。
本文中より。
「私は10歳のときにケンジに誘拐され、殴られて脅され、ケンジの汚い部屋に閉じ込められて一年間を過ごした。
ケンジは激しく変化し、昼間は私を辱めたが、夜は優しく私と仲良くしようとした。その記述に誤りはない。
だが私の気持ちの変化は詳しくは書いていない。
私とケンジとの間には次第に違う感情が育っていったのだ。はっきり書こう。
私はケンジを好きになった・・・」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
怖いもの見たさもあって読み始めたら止まらない。
「心の闇」に光を当てる、うますぎる、桐野夏生!
・・と「グロテスク」を読んだときも書いたが、今回もまさにそれ。
「グロテスク」は東電OL殺人事件をもとにし、「残虐記」は新潟少女監禁事件をもとにする。
大人の男が少女を監禁しどんな生活をしていたのか・・・少女を監禁するのも心の闇だが、そんな題材に興味をそそられるのも「心の闇」である。
好奇心にかられてどんどん読みながらも、人の生活や気持ちを覗き見したい好奇心という自分自身の「心の闇」がさらけ出されているようでうしろめたさをも感じる。
さまざまな愛と性のかたちを描いているという点も興味深い。
結末は描かれていないが、それもまた読者にいろいろな想像(妄想?)をさせる。
ひさびさの一気読み作品。
本文中より。
「私は10歳のときにケンジに誘拐され、殴られて脅され、ケンジの汚い部屋に閉じ込められて一年間を過ごした。
ケンジは激しく変化し、昼間は私を辱めたが、夜は優しく私と仲良くしようとした。その記述に誤りはない。
だが私の気持ちの変化は詳しくは書いていない。
私とケンジとの間には次第に違う感情が育っていったのだ。はっきり書こう。
私はケンジを好きになった・・・」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
怖いもの見たさもあって読み始めたら止まらない。
「心の闇」に光を当てる、うますぎる、桐野夏生!
・・と「グロテスク」を読んだときも書いたが、今回もまさにそれ。
「グロテスク」は東電OL殺人事件をもとにし、「残虐記」は新潟少女監禁事件をもとにする。
大人の男が少女を監禁しどんな生活をしていたのか・・・少女を監禁するのも心の闇だが、そんな題材に興味をそそられるのも「心の闇」である。
好奇心にかられてどんどん読みながらも、人の生活や気持ちを覗き見したい好奇心という自分自身の「心の闇」がさらけ出されているようでうしろめたさをも感じる。
さまざまな愛と性のかたちを描いているという点も興味深い。
結末は描かれていないが、それもまた読者にいろいろな想像(妄想?)をさせる。
ひさびさの一気読み作品。
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