訪問介護員講座の現場実習が始まる。
これに行かないことには資格がもらえない。
夏休みが始まる前に終了してしまいたかったので、学校でのお仕事を調整してなんとか日程を入れる。
訪問1日・施設3日間の実習。

訪問は先週のうちに終了。
ヘルパーステーションに行き「ホームヘルプサービス」に同行実習する。
介護保険で要介護認定を受けているお年寄りの方々をこの業界では「利用者さん」と呼ぶ。
その利用者さんの家庭を訪問して身体介護や家事援助をするのがこのお仕事。
身体介護とは直接利用者さんの体に触れるもので、着替えやオムツ交換・体を拭くなど。
家事援助とは買い物や調理、掃除洗濯など。
仕事として見ると、前者は時給1400円、後者は1000円程度だとか(確認はとってないので不正確)。
それぞれの利用者さんごとに何をするのか計画はできており、普通は一軒2時間程度の訪問で決められたことをする。

当日は、先輩ヘルパーさんについて5軒のお宅を回る。
1軒目は一人暮らしの利用者さんのところへ行き、デイサービス(施設に行き半日過ごす)の送り出し。
みんなが集まる場所に行くというのできれいにお化粧をしてネックレスなどつける利用者さん。
こちらの仕事としては、お部屋の片付け程度だが、息子さんがバリアフリーに改造してくれたということで、一人暮らしでもとてもきれいで快適な生活をしている様子。

2軒目からそれぞれご夫婦、一人暮らしのお宅に入り家事援助。
掃除・洗濯・買い物・調理などなど自分の家でやっているようなこと。
洗濯機を回してその間にお掃除をする。
何が食べたいかなど確認し、冷蔵庫の中身をすばやくチェックし買い物にいく。
食べたいものがはっきりしている場合はいいが、「適当に作って」などと言われると、今ある食材とあらたに購入する食材で安く短時間で作る、という能力が要求される。

調味料だって完備しているわけではなく、2軒ともしょうゆと砂糖はあったがみりんも味の素も置いてない。
先輩ヘルパーさんは工夫してかつおぶしや昆布でだしをとっていたが、私は料理、特に魚の煮物や野菜の煮物系のものは「めんつゆ」で味付けしたり、「ナントカの素」を使ってしか作れない。家庭料理の能力は必須とみた・・・。

自分の家ではやらないような便器みがきやガス台の魚用グリルのお掃除もやる。
・・・もともと毎日のようにヘルパーさんたちがお掃除に入っているので台所もトイレもきれい。
こういっちゃなんだが、ぼろっちい古いアパートにじいさんが一人で住んでいる、そんな生活からはちょっと想像できないほどに磨きこまれているし片付いている。
うちなんかより断然きれいにしてあった。
うちにもヘルパーさんが来てお掃除などしていただきたいもの・・・。

5軒目はデイサービス現場にお迎えに行くというもの。
息子さん一家と生活しているおばあちゃんなのだが、車の中で「もう行きたくないよ。でもね、嫁さんが行けっていうから・・・」とグチる。
デイサービスではお風呂にも入り体操やゲームもし、もちろん食事やおやつも付いて送迎つきで半日預かってくれるので、老人をかかえた家族にとってはとてもありがたいサービスだろう。

私がコドモたちを3年保育で幼稚園に行かせていたようなものか。
コドモ本人にとってはおうちにいたい、のだろうが、私にとっては半日でも家にいないととても助かる。
しかも給食もあり先生も責任もってめんどう見てくれるから安心だし、お友達もいるからコドモにとっても楽しいだろう、と思っていた。
娘に今、「3歳のとき泣いてたよね。幼稚園、行きたくなかったの?」と聞くと、「行きたくないんじゃなくて、おうちにいたかったの。おかあさんといたかったから泣いてたの」と言う。
・・・・デイサービスも言葉は悪いが家族にとっては、そんな「託老」の意味もあるのかな、と思う。

そして・・・何軒かしか回っていないが、やはり老後にはお金がモノをいう、と感じる。
一軒目に行った利用者さんは明るくて快適な広いマンションの一室でかなり裕福な一人暮らしをしていた。
築30年もたってるようなアパートに住んでいる方もいるし、こじんまりした住宅の方もいる。
すぐ隣に息子夫婦がいてもまるっきり没交渉でヘルパーさんまかせの方もいる。
老後の環境や暮らしぶりはほんとうに人さまざま。

それでもまだ在宅でサービスを受けている方々は、少しは自分のことができるとか家族の援助があるという人が多いと聞く。
仕事としては、家事援助が増えてきているという。
身体介護が必要な方々は家族のほうでできれば施設に入れてしまいたいという傾向があるからだという。
自分が年寄りをかかえたら同じように思うだろうな・・・。
施設のほうが安心だし。
いよいよ本日から施設実習。

☆実習生として見たこと聞いたこと感じたことの記録ですので、関係者の方々、気になること・間違っているところなどありましたら申し訳ありません・・・。

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