きのうのこと。主婦仲間たちと誘い合わせて娘たちを連れて公園プールに行く。

近くにわりと手ごろな公園プールがあり、7月初めにオープンしたその日から娘も息子も友達と連れだって出かけていたのだが・・・。
夏休みを前にして、「子供だけで行くな」と小学校からはおふれ書きが出されていた。
自転車で行けるすぐそこのプール、娘たちだけで行ってくれれば助かるのに。

藤棚の下に場所を確保するとさっそく娘たちはプールに走って行ってしまったので、私たちは木陰で涼みながらおしゃべりに花を咲かせる。
青空に浮かんだ白い雲がいかにも夏らしく、木々の葉は白っぽい裏側を見せながら風にそよぐ。
いつもは暑苦しく感じるせみの声もこんな場所で聞くと心地よい。
ああ夏休みだなあーーと思うひととき。

・・・が、私には気になる人物が。
おそらく昼過ぎからそこにいたのだろう、数メートル先の藤棚の下に陣どっている林家こぶ平か三谷幸喜テイストの男性。
ここは波や流れるプールなどもあるが公営のプールなので子供や家族連れが多い。
それなのに彼はお一人さま。
しかも大きくて黒くて四角い営業用のカバンをかたわらに置いている。
これだけでもじゅうぶんアヤシいのに、彼の水着は黒とショッキングピンクの競泳用。
三角パンツは焼けて引き締まった肉体にこそ似合うが、ぽってりしたハラの上の肉とはいかにも不つりあい。
マトリックス風のサングラスがこれまたイタい・・・。

太陽にじりじりと照りつけられる中で彼は表を焼き裏を焼き・・・寝っ転がった股間のモッコリがいやでも目に入る・・・。
「なにあれー?」「キモーい」「なんだろ、オトコひとりでこんなとこにくるなんて」「オタクの人・・・?」・・。
私たちの視界のはしっこに入ってくるので気になるのだった。
平日の昼下がりの2時間ほど彼はそうしてプールサイドで過ごし、最後にはプールで流れてきたらしい。
濡れた髪をぺったりと額に貼り付けて水からあがってきた。

われわれの推理では・・・おそらく露出を最大にしてなまっちろい肌を焼きに来たのだろう。
彼女と海にでも行く、そんな約束でもあるのだろうか。
とにかく、緊急に「焼き」が必要だったと思われる。
それなら日サロにでも行けばー?とも思うが・・・ここなら420円ですむからか。
それにしても、なにゆえ営業カバン?

・・・おもむろに帰り支度をし始めた彼がカバンからごそごそと引っ張り出したものはなんと「まきまきタオル」。
小学生がプールで使うアレである。
しかもハイビスカス柄!
マイタオル・・・なんだろうか。
手馴れた様子でまきまきタオルを腰に巻きその場で着替え始めるこぶ平。
そして私は見逃さなかった!
まきまきタオルの間から白いパンツが見えたのを。

ひえー・・・イマドキ小学生だってはかない白ブリーフ。
成人男子の間でもとっくに絶滅したかと思われるソレを、彼はなんと私たちの目の前で装着し始めた。
ことわっておくが、私たちは決してじっくり見ていたわけではないし、彼は単に更衣室に行く手間をはぶき、藤棚の陰で着替えをし始めたものと思われるが。

そしてもっと驚いたことに・・・黒い営業カバンから出てきたものはなんと丁寧にたたまれたサラリーマンのワイシャツとズボン!
・・・営業サボッてこんなファミリープールに一人で来てたのかー!
しかも持ち物からして計画的な犯行。

彼は小学生がばちゃばちゃと水をはねとばして遊ぶプールサイドで営業マンの服装に変身し、黒い営業カバンをさげて人ごみの中に消えていった・・・。
こんなところでこんなことしたらものすごく目立つってことに気がついてないんだろうなあ。
数々の「!」と「?」を残してこぶ平は立ち去っていったのであった・・・。

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