新米パーティー

2004年11月2日 日常
職場の小学校で「新米パーティー」がある。
5年生の学年活動で、自分たちで育てた米をおかあさんたちのお手伝いのもとおにぎりにして食べる、というもの。
私も子供の手のひらサイズのうめぼしおにぎりをいただく。

そういえば、うちの娘が学校から持ってきて育てた米も、刈り取りをして玄関先に干したまま。
おととし、息子のときにやった脱穀作業の過酷さになかなか重い腰があがらないでいた。

家で米を育てるときは、夏の暑い日々の水の管理と台風シーズンの風に気をつければ、なんとかそれらしくできる。
が、大変なのは脱穀作業。
よく本などに「一升瓶に入れて棒の先でつついて脱穀」みたいな図が載っているが・・・
うちにはそのとき一升瓶どころかビンもなく、けっきょくたいした量でもないので一粒ずつ手作業で殻をむくことにした。
これが思っていたよりもずっとたいへんな作業。
小さい米粒を一粒ずつ・・・指の先もツメも痛くなる。
こんなに大変な思いをして「米」になるんだから、一粒もムダにしてはいけない、とそれこそ実感として私も子供たちも思った。

小学生たちはどうやって脱穀したんだろう・・・。
「脱穀、大変だったでしょう?」と聞くと、「あのね、すりばちに入れてね、ソフトボールでごろごろってやるの」。
「ふーってするとね、殻だけ飛ぶからカンタンだよ」。
へえーっ。

すりばちに入れてボールでゴロゴロ。
すりこぎでやるのと違ってボールなら米がつぶれることもないだろう。
強く息を吹けば、殻だけが飛んで米だけ残るってわけだ。
なるほど。さっそくうちの米も100円ショップですりばちを買ってきて脱穀してみようっと。

学校では教材として、1年生はあさがお、2年生はプチトマトなどの野菜、3年生はホウセンカやコスモスなどの花、4年生はヘチマを育てる。
で、5年生は「米作り」。
あさがおやヘチマは食えないし、野菜は一株に数個しか実がならない。
だから、私の中では米作りは達成感がある分なかなかポイントが高い。
「米作り」といっても、水田があるわけでもなく教室のベランダで育てる「バケツ稲」。
掃除のときなどに使う青っぽいバケツがベランダに並ぶ。

ひとりに一個おにぎりがいきわたり、先生たちにも配られるほど豊作だったんだなあ、と感心してそんな話を近くにいた先生にすると・・・
「そんなわけないじゃない。半分は買ってきた米を混ぜてるのよ。でもいいでしょ。みんなうれしそうじゃない」。
そっかあー。
「教育とは偽善とヤラセの産物なり」と思うことは多々ある。
でも私としてはそれでもいいと思っている。
「やったね!」と思える、何かをなしとげた達成感というのはオトナだってうれしいもの。
そして、感動は「感謝の心」につながる。
日々のことに感謝して過ごしていける、そんな心を大切にしたい。

「新米パーティー」では、調理員さんたちが即席で作った漬物や学校畑でとれたさつまいもも食卓にのぼった。
小学生たちは「自分たちで育てた米」のおにぎりに大満足の表情だった。
実りの秋だなあー。

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