主婦のパーティ

土曜日。近くの大きな公園で開かれたフリーマーケットに主婦友と行く。

朝のうちはさわやかな秋晴れだったのだが、昼から曇ってきて気温も低くなる。
各国の名物料理の屋台もあちこちに立ち並び、そこここから漂う湯気がいかにもあったかそう。

フリマでは私は自分が興味のある「お店」を見ればいいと思うのだが、主婦友は端っこから順番に全部見ていくのが好き。
さすがA型の血。
掘り出し物があるかもしれないので私もつきあっていろいろと見る。

去年は同じフリマで「ハムスター飼育セット（ゲージ・トイレ・おがくず・冬用おふとん・大量のエサ)」を300円で買ったはいいが、持ち帰りがものすごく大変だった。
今年も「チーズフォンデュセット」とか「腹筋マシーン」とかほしいものはあったが、大物を買うとあとが大変なのでとりあえずパス。

仕事用にも着られるユニクロ・GAP系のジャージなどを中心に見る。
私と違って細身でおしゃれな主婦友は細いワンピースとかアクセサリーとか、ウシ柄とかヒョウ柄のバッグ、ブーツなどを見ている。
細い、ということは服を選ばないということで、イマドキの若者向けの細身の服だってなんだって着られる、よし私もやせるぞーとほんの一瞬思う。

それにしても。
持ち物とか服装っていうのはその人の「生き方」をあらわすとあのドン小西がいみじくも言っていたが・・・。
車で移動することが多い今の私はブーツもはかないしなあ。
大柄な私がウシとかヒョウとか毛皮なんかついてるのを着たら「山のマタギ」になって熊でも撃ちにいきそうだしなあ。
アクセサリーの類は子供年寄りを相手にする生活になってからというもの無縁・・・。
これでいいものか・・などと考えていると・・・

「あっ、それ素敵ですよ」。
主婦友が手にとっていたネックレスをお店のおねえさんに勧められているところだった。
ビーズやトンボ玉などでゴージャスに仕上げてあるネックレス。
色もボルドーや赤なので、パッと目を引く豪華さ。
主婦友、「すてきだけど・・どこにつけていくってねえ？」と私を見る。
確かにちょっとやそっとのお出かけにしては派手すぎるそのネックレス。
ちゃんとした格好をするのは子供の学校に行くとかみんなでランチに行くとかがせいぜい。
ここ一発の同窓会だって、このキラキラのネックレスは豪華すぎ。

お店のおねえさん、「パーティとか？」。
・・・パーティ！！

そのあまりにも私たち主婦の日常とかけ離れすぎた言葉に、私たちは顔を見合わせる。
おねえさん、40の主婦を前にして自分の言ったことが的をハズしたと思ったらしく、
「・・・あっいやいや、なんのパーティでしょうねえ」。
・・・なんのパーティって、あんた。フォローになってないって。

私と主婦友はますますおかしくて笑ってしまった。
主婦が参加するパーティっていったらさあ・・・。
会員制のヤツでさあ。マンションの一角とかでやるような。
そうそう。あやしい仮面とかつけたりして。
ああ。あのマイケルジャクソンの子供がつけてたような。
うはは。なんだってばそれ。

かわいいウサギの耳をつけてたおねえさん、
妄想が一人歩きして勝手に盛り上がって立ち去ってしまった私たちを許してね。

収穫は・・・
GAPのトレーナー300円。
ユニクロのウインドブレーカー300円。
子供ジーンズ100円。
アメリカンスーパーボール(超ぶにょぶにょしてるヤツ)200円×2。
メタルスライムフィギュア100円。
以上でした。