かわいいどんぐり虫

職場の小学校で「秋のフェスティバル」がある。
ここらではたいていどこの小学校でもやっている催しで、各クラスごとに「お店やさん」「ゲームやさん」などをしてお客さん(子供たち・先生たち)に楽しんでもらう、というもの。

「おばけやしき」「立体迷路」「ストラックアウト」「ビーズやさん」「スライムやさん」「イントロあてクイズ」「宝探し」などなど、各学年の力量に応じてさまざまな企画をする。
子供たちは交代で担当の店員さんになったり、お客さんになったりする。

さすがに6年生の「お化け屋敷」のある暗幕が張られた理科室は長蛇の列。
並んでいる間に「ぎゃー」という悲鳴が聞こえたりして雰囲気もじゅうぶん。
中に入ると赤いセロファンをはった懐中電灯や棺おけ型のダンボールが雰囲気を盛り上げる。
「アクセサリー屋さん」も凝っていて、そのまま路上で売れるかと思うようなレベルのものもあった。

1年生はお客さんのみだが、初めてお店やさんをやる2年生。
ビニールプールに折り紙で作ったお魚を入れて磁石で釣る「魚釣りゲーム」とか「ペットボトルボーリング」とか、それでも一生懸命考えて工夫したあとがある。
担任の先生、さぞご苦労されたことでしょう・・・。
「いらっしゃいませー！」の声もどの学年よりも大きくて元気いっぱい。
ボーリングで5本倒したので、ポケモンシールの景品をもらう。

隣のクラスに「どんくりごまやさん」がある。
「せんせー来て来て！すごいんだよ！」と小さい手に引かれて行ってみると、何人か集まって騒いでいる2年生たち。
「どうしたの？」と聞くと、どんぐりごま用に穴をあけたどんぐりが入っている箱を差し出される。
「見てみて！虫っっ」。

丸くて大きくてツヤツヤと立派なブナのどんぐりたちの間に、これまたぽっちゃりとよく太った「どんぐり虫」たちが！
準備してしまっておいた間に発生したものと思われる。
「どんぐり虫ー♪」「かわいーい」「ぷくぷくしてるね」「どこから来たのかなあ」と口々に無邪気に喜ぶ2年生たち。

そういえば夏にクワガタやコオロギなどの飼育箱の隣にゴキブリを入れた飼育箱も並んでたっけ・・・。
オトナなら先入観とか固定した価値観で「気持ち悪い」と思ってしまうところだが、コドモって頭がやわらかいんだなあ。

・・というコドモの目で見ると、そのどんぐり虫たちはそのときはとってもかわいく見えたのであった。(←ホントだってば)