正しい運の使い方

大江戸博物館で開かれている「水木しげる展」のチケットが当たる。

最近は地域限定のプレゼントに限って応募しているためか、よくチケット類が当たる。
先月もそれで六本木ヒルズの東京シティビューに行った。
夏には遊園地のプールの券も当選。
シネコンの招待券も二度ほど当たっている。
エスティローダーの3万円ほどする美容液セットも当たった。

「水木しげる展」には特に興味があるわけでもなかったが、大江戸博物館には一度行ってみたいと思っていたのでうれしい。
ペア券なので、博物館とかジオラマが好きで土日はヒマしている娘と行ってくるか。

ダンナに「また当たったよ」と言うと、「そんなことで運のムダ使いして・・・」との言葉。
運のムダ使い、か。
じゃあ何が運の正しい使い方なんだろう。
ダンナ「もっといいことに使えば」と言うが、はたして「いいこと」って・・・？

主婦仲間で、話していると「何かいいことないかなあ」という話になったりする。
「いいことって？」と聞くと、「なんかさあ、キムタクみたいな男の子と知り合いになってドライブ行ったりさあ」と言うのだが・・・
「私たち主婦にとってのいいこと」は何かとつきつめて考えるとなかなか難しいのだった。
いまさらオトコとどうこうというのは決して「いいこと」でもないしなあ。

若いときみたいに自分一人のことだけ思えば、「海外リゾート長期滞在とか日本一周気ままな一人旅」ができたらいいなあと思う。
でも、今のこの「状況」の中でコドモたちや周囲の人を巻き込むこともない「いいこと」って・・・。
物だって特に今これといってほしいものもないし。
数年前なら冬がくるたびに、冬のバッグやコートなんかがほしくなったりしたけど、なんというかそういう「物欲」も特にない。
家の中でも家電も家具もまあそれなりで特にほしいものもないし。
仕事もそこそこうまくまわってるし。
これって「満ち足りている」ってことか。
それとも「枯れて欲がなくなった」ってことか。

やっぱり「映画の券」とか「博物館招待券」とか、おいしいものを食べるとかこういうささやかな幸せが今の私にはちょうどなのかも。
チケットが当たることで、普段なら行かない場所に行けたり娘といっしょに出かけられたりするという「楽しい時間」がプレゼントされたと考えれば、無料で入れるということ以上にうれしい。

なーんて考えながら車を走らせていたら、スーパーの前の宝くじ売り場が目に入る。
おおっこれだっ！
どうせ当たらない、と負け勝負はあまりしない私だけど、これこそ等身大の「正しい運の使い方」。
あっ、でも今年はいろいろなチケットが当たったからもう運は使ってしまったかな。