「野ブタ。をプロデュース」
2005年1月31日 読書
「野ブタ。をプロデュース」白岩玄 を読む。
本文中より。
「この距離感、居心地いいんだ。遠すぎたら寂しいし、近すぎたらうっとおしい。
適当に笑わしておけば波風たたないし、誰にも嫌われない。
むしろ好かれることのほうが多いし、いろいろ得することだってある。
自分が他人と会わないからって一人の世界を作ってしまう奴。そんな奴は弱すぎる。
障害物があるからって違うコースを走るのか。そんなもの全部キレイにかわして走ればいいんだ」。
「言葉は人を笑わせたり、楽しませたり、時には幸せにすることもできるけれど、同時に人をだますことも、傷つけることも、突き落とすこともできてしまう。
そしてどんな言葉も一度口から出してしまえばひっこめることはできない。
だからこそ俺は誰にも嫌われないように薄っぺらい話ばかりしてきた。
言葉には意味を、意志を持たさぬように俺は徹底してきたつもりだった」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
第132回芥川賞候補作で、第41回文学賞受賞作。
史上最年少芥川賞のオトコのコ版になるか?と話題になったこともあり、21歳イケメン男子の描く「野ブタ。をプロデュース」はぜひ読んでみたい作品だった。
カバー裏には著者近影もあってそのイケメンぶりを拝めるというし・・。
本の順番が回ってきたときの図書館からの電話。
「野ブタ」を図書館員は「ノブタ」という男の名前のアクセントで発音。
私は「野生のブタ」と思っていたので「ん?」と思う。
が、これはまさに「ノブタ」というドンクサい転校生を主人公が「プロデュース」するお話だった。
「野ブタ。」の「。」は「モーニング娘。」の「。」だったのねえー。
初めのほうは、高校生の日常会話なんかが出てきて、「あっこれはセレクト失敗かな」と思う。
話題性だけで舞城王太郎の「阿修羅ガール」、山田悠介の「リアル鬼ごっこ」を読んでしまったときの苦い過去がよみがえる。
ところが、あくまでも軽くさっくりした文章のまにまに、普遍的な真実が描かれているのが見え隠れするとき、「ああっこれってある!」と共感し、もうこうなったらやめられない。
野ブタ。をプロデュースしていき人気者にしていく過程はテンポ良くおもしろく、爆笑する場面もありどんどん引き込まれる。
そして場面は一転して・・・今度はきゅきゅーっと胸がしめつけられるような悲しさ寂しさ虚無感が漂い「ああー・・わかるよ・・・」と主人公といっしょにため息をつく。
2時間弱で軽く一気に読めて、笑ってせつなくなってほろりとする・・・。
とっても楽しませていただきました!
お楽しみの「著者近影」も期待を裏切らないイケメンぶり。
次回作もぜひ期待したいですな。
別のアングルからのお写真とともにね。
本文中より。
「この距離感、居心地いいんだ。遠すぎたら寂しいし、近すぎたらうっとおしい。
適当に笑わしておけば波風たたないし、誰にも嫌われない。
むしろ好かれることのほうが多いし、いろいろ得することだってある。
自分が他人と会わないからって一人の世界を作ってしまう奴。そんな奴は弱すぎる。
障害物があるからって違うコースを走るのか。そんなもの全部キレイにかわして走ればいいんだ」。
「言葉は人を笑わせたり、楽しませたり、時には幸せにすることもできるけれど、同時に人をだますことも、傷つけることも、突き落とすこともできてしまう。
そしてどんな言葉も一度口から出してしまえばひっこめることはできない。
だからこそ俺は誰にも嫌われないように薄っぺらい話ばかりしてきた。
言葉には意味を、意志を持たさぬように俺は徹底してきたつもりだった」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
第132回芥川賞候補作で、第41回文学賞受賞作。
史上最年少芥川賞のオトコのコ版になるか?と話題になったこともあり、21歳イケメン男子の描く「野ブタ。をプロデュース」はぜひ読んでみたい作品だった。
カバー裏には著者近影もあってそのイケメンぶりを拝めるというし・・。
本の順番が回ってきたときの図書館からの電話。
「野ブタ」を図書館員は「ノブタ」という男の名前のアクセントで発音。
私は「野生のブタ」と思っていたので「ん?」と思う。
が、これはまさに「ノブタ」というドンクサい転校生を主人公が「プロデュース」するお話だった。
「野ブタ。」の「。」は「モーニング娘。」の「。」だったのねえー。
初めのほうは、高校生の日常会話なんかが出てきて、「あっこれはセレクト失敗かな」と思う。
話題性だけで舞城王太郎の「阿修羅ガール」、山田悠介の「リアル鬼ごっこ」を読んでしまったときの苦い過去がよみがえる。
ところが、あくまでも軽くさっくりした文章のまにまに、普遍的な真実が描かれているのが見え隠れするとき、「ああっこれってある!」と共感し、もうこうなったらやめられない。
野ブタ。をプロデュースしていき人気者にしていく過程はテンポ良くおもしろく、爆笑する場面もありどんどん引き込まれる。
そして場面は一転して・・・今度はきゅきゅーっと胸がしめつけられるような悲しさ寂しさ虚無感が漂い「ああー・・わかるよ・・・」と主人公といっしょにため息をつく。
2時間弱で軽く一気に読めて、笑ってせつなくなってほろりとする・・・。
とっても楽しませていただきました!
お楽しみの「著者近影」も期待を裏切らないイケメンぶり。
次回作もぜひ期待したいですな。
別のアングルからのお写真とともにね。
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