恋するバレンタイン

主婦友が街までバレンタインのチョコを買いに行く、というのでいっしょに行く。
特別気合いの入る相手もいないし私はコンビニチョコでいいんだけど・・・まあ、季節のお祭りだしね。

デパートのバレンタインチョコ売り場は平日の午前中ということもあって人もまばら。
「ベルギー王国御用達パティシエのチョコ」の試食などもやっていて、口に入れただけでとろける感触は国産チョコとは違った味わい。
主婦友は「勝負チョコはやっぱりゴディバかな！」と売り場を物色。
恐るべしゴディバ、ちっこいのが2個で1200円！

私はかわいい息子にクロコダイル形のチョコ、どーでもいいけどダンナにサルとカバ形のチョコを購入。
「あたしなんてダンナには何年もやってないよ」と主婦友は言うが・・・私だって好きでやってるわけではなく、盆暮れの付け届けと同じく人間関係を円滑にするための贈り物であり、「やったかどうか」が大切ってことで。

大きな100均ショップで娘の「ともチョコ」用のパッケージなどなど購入。
娘の話を聞くと、男の子にあげるためのチョコよりもともだちの証のためのチョコのほうが重要らしい。
「これをあげないと仲間はずれにされる」くらいの重みがあるってカンジ。
息子の友達関係はいたってシンプルなのに、確かに女の子の友達はグループ化していていろいろとめんどくさそう。
私がダンナにあげるチョコと同じく、「ここはひとつよろしく」って意味があるんだろうな。

高級チョコレートの横には手作りチョコのコーナーもある。
一体チョコレートの「手作り」とはなんぞや？
クッキーとかケーキの手作り、ってのはわかるけど、もとのチョコを溶かして別の形に作り変えることを「手作り」と言っていいものか。
それにしてもなぜ世の男子は「手作りチョコ」をありがたがるんだろう。

以前私は友人の「手作りチョコ」作成現場に立ち会ったことがある。
まだ独身だった友人は当時、フリンしていた相手と別れの気配が漂っていたころだった。
「どうしてよぉー・・・」なんて恨み言を言いながら目にいっぱい涙をためてチョコレートを作成する・・・彼女の涙とともに怨念まで混ぜ込まれたようで、そのチョコレートはとってもとっても重い気がした。
私がオトコだったらこんな恐ろしいもの受け取れないな、と思った。
魔女の薬のように、手作りチョコには涙ばかりかそれこそ何が混入されていてもおかしくない。
オンナはこわいんだぜえー。

さてさて。
チョコレートというのはパーフェクトなお菓子だと思う。
完璧な甘さ。艶のある色あい。
口に入れたときの固い食感からとろける舌触りに移行する独特の感触。高級感あふれるたたずまい。
やっぱりチョコレートは冬が似合う。
こごえた気持ちを溶かすようなチョコレートの持つイメージは寒い冬だからこそ。
この季節にチョコレート祭りをやるなんてお菓子業界もやるもんだなあ。