「対岸の彼女」角田光代 を読む。
本文中より。
「なんのために私たちは歳を重ねるんだろう。人と関わり合うことが煩わしくなったとき、都合よく生活に逃げ込むためだろうか」
「なぜ私たちは年を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない。また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
第132回直木賞受賞作。
読了後、とてもいいものを読ませてもらったという気持ちになる。
自分の現在・過去の感情がじわーっとよみがえり、とても懐かしくせつない気持ちになりきゅーんとする。
子育て真っ最中の小夜子と小さいながらも会社の社長としてバリバリと仕事をこなす葵。
立場も環境も持っているものも価値観も違う二人。
お互い「対岸」にたたずんでいて対比されているかのようで・・・。
女友達と一心同体のように笑い転げたり泣いたりしていた高校生のころ。
進路が違ってどうしようもなく終わってしまう友情、そして別々の世界を持ち始めた元親友に対しての気持ち・・・。
コドモを連れての公園デビューに居心地の悪さを感じていたころ。
主婦という立場からして、独身の女友達が自由で制約もなくうらやましく思え、いやおうなく「自分とは違うんだ」と思い知らされる気持ち。
どれもこれも小夜子・葵の感情がとてもリアルに伝わってきてびしびしと共感できる。
私としては角田光代の作品ではこれが一番!
ラスト近く、高校生の小夜子と葵・ナナコがそれぞれ対岸で手を振るシーンはとても印象深く、たまらなく懐かしい気持ちになって涙があふれた。
本文中で繰り返し問いかけられる「なぜ私たちは年を重ねるのか」。
最後には「出会うことを選ぶため」、「選んだ場所に自分の足で歩いていくため」と前向きな言葉で答えが出されている。
「生きていくっていいなあ」と思える一冊。
本文中より。
「なんのために私たちは歳を重ねるんだろう。人と関わり合うことが煩わしくなったとき、都合よく生活に逃げ込むためだろうか」
「なぜ私たちは年を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない。また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
第132回直木賞受賞作。
読了後、とてもいいものを読ませてもらったという気持ちになる。
自分の現在・過去の感情がじわーっとよみがえり、とても懐かしくせつない気持ちになりきゅーんとする。
子育て真っ最中の小夜子と小さいながらも会社の社長としてバリバリと仕事をこなす葵。
立場も環境も持っているものも価値観も違う二人。
お互い「対岸」にたたずんでいて対比されているかのようで・・・。
女友達と一心同体のように笑い転げたり泣いたりしていた高校生のころ。
進路が違ってどうしようもなく終わってしまう友情、そして別々の世界を持ち始めた元親友に対しての気持ち・・・。
コドモを連れての公園デビューに居心地の悪さを感じていたころ。
主婦という立場からして、独身の女友達が自由で制約もなくうらやましく思え、いやおうなく「自分とは違うんだ」と思い知らされる気持ち。
どれもこれも小夜子・葵の感情がとてもリアルに伝わってきてびしびしと共感できる。
私としては角田光代の作品ではこれが一番!
ラスト近く、高校生の小夜子と葵・ナナコがそれぞれ対岸で手を振るシーンはとても印象深く、たまらなく懐かしい気持ちになって涙があふれた。
本文中で繰り返し問いかけられる「なぜ私たちは年を重ねるのか」。
最後には「出会うことを選ぶため」、「選んだ場所に自分の足で歩いていくため」と前向きな言葉で答えが出されている。
「生きていくっていいなあ」と思える一冊。
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