日曜日。息子の剣道の昇段審査会が行われた。
息子たちの剣道部員も何名か参加。

大会や試合はいつも自転車で行ける場所だが、今回は電車で途中乗り換えして駅から歩いて10分ほどの場所。アウェイである。
学校行事ではないので顧問の先生がつくことはない。
「どうする?ついていく?」部長さんのおかあさまに聞かれる。

中学生だし部員たちだけでだいじょうぶなんじゃないの?とは思ったが、先輩母ひとりしか都合がつかないらしくひとりで行っていただくのも悪いなあと思ったので行くことにする。
アウェイでの息子たちの様子も見たかったし。
「引率」とは行っても、小学生の生活科じゃないんだから自分たちでさっさと電車だって乗れるだろうし、30人も40人もいるんじゃないんだから・・・とちょっと遠足気分もあった。

が!当日。
乗る駅で切符を買うのからしてモタつく男子剣道部員たち。
財布がバッグの奥のほうに入っていてすぐ出せない。
一度「街」に出て、そこから乗り換えしていく「近郊車線連絡切符」が買えない。
おつりをもらって切符をとるのを忘れる。
改札入ったと思ったら切符売り場に防具袋を忘れる(・・・はい。息子です。すいません)。
出だしからして、えっ?中学生だよね?と思うような行動が続くのだった。

とりあえず無事電車に乗ってから先輩母、「やっぱりこうなんだよね。みんなおぼっちゃまだから。電車乗ることないし」とため息。
たしかに。息子だって切符買って電車に乗ることなんてないもんなあ。
回数券使って塾は行っても、行きたい場所を調べて乗り継ぎを考えて電車に乗るってことはない。
場数踏んでなきゃできないのも当たり前か。

それと、たまたま剣道部集団があまり活動的な人たちじゃないってのもあるんだろう。
中学生ともなれば、友達と連れだってあちこち出かけたりする年頃。
でも、うちの息子もそうだが剣道部員はインドア派が多い。
だいたい、もともと弱小チームなので部活を選んだ理由からして「楽そうだから」というのが主だろう。

昇段審査は一日がかり。
部員全員が終了して結果発表まで待たねばならない。
冷房がきいているため体育館の中は暑くはなかったが剣道少年たちの汗と熱気がこもって超クサい・・・。
受付番号は学校ごとではなくバラバラなので、個人ごとに進行具合などみながらトイレに行ったり昼食をとったりする。

それだって、母に声をかけてもらえるまでボヤーっとして動かない部員、出番近いのにジュースを買いにいったきり戻らない部員、昼食のタイミングがわからず結局食べないでしまった部員・・・。
先輩母、ちゃんと個人ごとの番号をメモってそのたびやさしく声をかけてやっている。
荷物も、コンパクトにまとめず通路のさまたげになっているし、バッグのファスナーも開けっ放し。
ああー、いつもおかあさんに片付けてもらってるんだなとかバッグも閉めてもらってるんだな、と思われてしまう。
(・・・はい。息子のことです。開けたら開けっ放し。出したら出しっぱなし。母はやってあげてないけど)

自分のことは自分でできないのかと中学生たちの幼さに半ばあきれながら、「やっぱり母が声かけてやんなきゃいけないの?」と先輩母に聞く。
すると、「うるさいおかあさんもいるから。私たちはついてきただけと思っているけど、他の人は『引率』と思ってるから、何かあったら私たちが批判されるし」。
・・・そうなんだ。
遠足気分で来た私が甘かったか。

ボヤっとしてて審査受けられなかったらその子の責任なんだしそれも経験だろうと私は思うけど、それではすまされないのか。
責任が発生する以上、やっぱり「無事終了させる」ためには小学校低学年レベルの目配りと声かけが必要なのか?
・・・自分で考えて行動し失敗も自分で引き受けるという「経験」の機会は、良い悪いではなくこうやって奪われていくのかもしれないな。

「任務」を自覚した私は、帰りの電車でも先輩母とともに「声かけ」を励行。
帰りは行きよりもだらけていて、団体行動のはずなのにひとりで先に行ってしまったり、ジュースを買うため突然いなくなったり。
それでも・・・部員たち、お互い声をかけあったりしない。
先輩母「貧血起こして倒れそう・・・」と言葉数も少なくなる。

きっと母たちがついていかなくても、それなりに自分たちでなんとか行って帰ってきたんだろう、とは思う。
実際、私たちだって気疲れしたけど、カルガモのおかあさんみたいに先頭に立って歩いたわけでもない(ついてきやしないだろうが)。
でも、あの実態を知ると知らないでは大違い。
男子中学生、中身はまだまだお子ちゃまなのだね。

カルガモかあさんがたくさんのコドモたちを引き連れて歩けるのは、コドモたちが団体行動をじょうずにできるから。
私たちは、一生懸命になって汗水たらして(?)走り回る牧羊犬を思った。
ボーダーコリーも責任が重くて大変なのね、ご苦労さん、とあらためて思ったりする。

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