「世界の終わり、あるいは始まり」
2005年12月16日 読書
「世界の終わり、あるいは始まり」歌野晶午を読む。
本文中より。
「誘拐事件はごく近所で発生したとはいえ、しょせん他人の不幸でしかない。
世の中で何が発生しようと、自分はきっと平和を感じているに違いない。
もう少し噛み砕いて言うなら、近所で誰がさらわれようと、心臓を打ち抜かれようと、それは他人事でしかなく、悲惨だとは思うし遺族の気持ちを考えると胸が痛むけれど、そう感じているのは上っ面であって、深層においては少しも悲しんではおらず、むしろ幸福を、自分の家族が被害にあわなくてよかったとしあわせを覚えている」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
内容知らずに読んだのに、またまた今の世情にマッチした歌野晶午作品。
「顔見知りのあの子が誘拐されたと知ったとき、驚いたり悲しんだり哀れんだりする一方で、わが子が狙われなくてよかったと胸をなでおろしたのは私だけではあるまい」。
冒頭のこの一文にまずガツンとやられる。
小学生を狙った連続誘拐殺人事件にかかわる物証を息子の部屋で発見するおとうさんが主人公。
「なぜ、我が子が」という戸惑いと、息子の将来だけでなく、自分も家族の未来も破滅するという恐怖。
これはわが身におきかえて身につまされ、思わず手に汗を握ってしまった。
ラストが気になり、一気読み!
前半は間違いなくおもしろい!
でも・・・半分以上読むと、文章の構成が「ははーん」とわかり、期待した肝心のラストには「・・・えっ」と肩透かしをくらう。
こんなのアリー?
結局なんなのー?と。
ラスト惜しいなあ・・・。
今までにないタイプのお話にとっても楽しませてもらったことは確かなんだけどね。
本文中より。
「誘拐事件はごく近所で発生したとはいえ、しょせん他人の不幸でしかない。
世の中で何が発生しようと、自分はきっと平和を感じているに違いない。
もう少し噛み砕いて言うなら、近所で誰がさらわれようと、心臓を打ち抜かれようと、それは他人事でしかなく、悲惨だとは思うし遺族の気持ちを考えると胸が痛むけれど、そう感じているのは上っ面であって、深層においては少しも悲しんではおらず、むしろ幸福を、自分の家族が被害にあわなくてよかったとしあわせを覚えている」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
内容知らずに読んだのに、またまた今の世情にマッチした歌野晶午作品。
「顔見知りのあの子が誘拐されたと知ったとき、驚いたり悲しんだり哀れんだりする一方で、わが子が狙われなくてよかったと胸をなでおろしたのは私だけではあるまい」。
冒頭のこの一文にまずガツンとやられる。
小学生を狙った連続誘拐殺人事件にかかわる物証を息子の部屋で発見するおとうさんが主人公。
「なぜ、我が子が」という戸惑いと、息子の将来だけでなく、自分も家族の未来も破滅するという恐怖。
これはわが身におきかえて身につまされ、思わず手に汗を握ってしまった。
ラストが気になり、一気読み!
前半は間違いなくおもしろい!
でも・・・半分以上読むと、文章の構成が「ははーん」とわかり、期待した肝心のラストには「・・・えっ」と肩透かしをくらう。
こんなのアリー?
結局なんなのー?と。
ラスト惜しいなあ・・・。
今までにないタイプのお話にとっても楽しませてもらったことは確かなんだけどね。
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