スーパーで季節や旬を感じることが多いきょうこのごろ。
お仕事で利用者さんの車イスを押していっしょに買い物に行って、「ふきのとう」が売られているのを発見。
小さいパックにお行儀よく3個ならんでぴっちりラップされている。
「あらーめずらしい」と手にとるSさん。
「ここらでも昔はあぜ道とか土手とかにはえていたんだけどねえ。昔は春先になるとつくしをつんでおひたしにしたし、ふきのとうなんてざるいっぱいとれたもんだったけどねえ」。
ホントにそのとおり。
都会のスーパーではしそやみょうがなどもご丁寧にパックされて、私のような田舎モノ感覚ではバカ高い値段で売られているが・・・。
しそだってみょうがだってふきのとうだって、実家の畑や車庫の裏なんかにくさるほどはえている。
3個250円なんて値段がつくなら、ひともうけできそうなくらいだ。
私がまだ実家で生活していたコドモのころ、雪がとけてふきのとうや福寿草が出るころになると、ああやっと春だなあと思ったものだ。
父母はふきのとうやたらの芽をそこらへんからとってきて、ゆがいてみそであえて食していた。
うまいから食べてみろと何度もすすめられたし実際食べてもみたが、あの独特のほろ苦い味はオコサマの舌には合わない。
ふきのとうだってワラビやぜんまいだって、コドモの私はおいしいなんてこれっぽっちも思わなかった。
ましてや「ふき」を煮たヤツなんて匂いだけでもうダメだった。
それでもオトナになるにつれて山菜の味がわかるようになり、ふきの煮物もおいしく食べられるようになった。
みょうがやしそも大好物。
Sさんとそんなことを話しながら、そういえばふきのとうなんてもう何十年も口にしていないなあと気づく。
オトナになってからは春先に実家にいることはないし、普通に生活していればふきのとうなんて食べる機会もない。
Sさん「あら。じゃあ今食べればきっとおいしく食べられるわよ。めずらしいから買ってみましょうよ」。
ということでふきのとうはスーパーのカゴの中へ。
Sさん宅に戻り、私が洗濯と掃除をしている間にSさんは台所でなにやらゴソゴソやっている。
ふきのとうをゆでる独特の匂いが漂う。
何十年ぶりかに嗅ぐその匂いは、私を春先の北国の実家の台所に連れて行ってくれる・・・。
なつかしい香り。
帰りがけに、「磯野さん。ふきのとうの味噌和え作ってみたからちょっと味見してくれる?」。
ホントは利用者さんのお宅でゴチになってはいけないのだけど、一口いただく。
ほろ苦いふきのとうの味が味噌とよく合ってなんとも言えずおいしい。
父母はこんなものを食べていたのか。
コドモの私はこの味がわからなかったけれど、なんておいしいんだろう。
これこそオトナだけが理解できる味。
もっと食べたいーと思ったがぐっとガマン。
それ以来、道端のあやしそうなところにふきのとうがはえていないかそれとなく見てしまう。
今度実家から電話があったときにでも「ふきのとう出てたら送って」と言ってみよう。
お仕事で利用者さんの車イスを押していっしょに買い物に行って、「ふきのとう」が売られているのを発見。
小さいパックにお行儀よく3個ならんでぴっちりラップされている。
「あらーめずらしい」と手にとるSさん。
「ここらでも昔はあぜ道とか土手とかにはえていたんだけどねえ。昔は春先になるとつくしをつんでおひたしにしたし、ふきのとうなんてざるいっぱいとれたもんだったけどねえ」。
ホントにそのとおり。
都会のスーパーではしそやみょうがなどもご丁寧にパックされて、私のような田舎モノ感覚ではバカ高い値段で売られているが・・・。
しそだってみょうがだってふきのとうだって、実家の畑や車庫の裏なんかにくさるほどはえている。
3個250円なんて値段がつくなら、ひともうけできそうなくらいだ。
私がまだ実家で生活していたコドモのころ、雪がとけてふきのとうや福寿草が出るころになると、ああやっと春だなあと思ったものだ。
父母はふきのとうやたらの芽をそこらへんからとってきて、ゆがいてみそであえて食していた。
うまいから食べてみろと何度もすすめられたし実際食べてもみたが、あの独特のほろ苦い味はオコサマの舌には合わない。
ふきのとうだってワラビやぜんまいだって、コドモの私はおいしいなんてこれっぽっちも思わなかった。
ましてや「ふき」を煮たヤツなんて匂いだけでもうダメだった。
それでもオトナになるにつれて山菜の味がわかるようになり、ふきの煮物もおいしく食べられるようになった。
みょうがやしそも大好物。
Sさんとそんなことを話しながら、そういえばふきのとうなんてもう何十年も口にしていないなあと気づく。
オトナになってからは春先に実家にいることはないし、普通に生活していればふきのとうなんて食べる機会もない。
Sさん「あら。じゃあ今食べればきっとおいしく食べられるわよ。めずらしいから買ってみましょうよ」。
ということでふきのとうはスーパーのカゴの中へ。
Sさん宅に戻り、私が洗濯と掃除をしている間にSさんは台所でなにやらゴソゴソやっている。
ふきのとうをゆでる独特の匂いが漂う。
何十年ぶりかに嗅ぐその匂いは、私を春先の北国の実家の台所に連れて行ってくれる・・・。
なつかしい香り。
帰りがけに、「磯野さん。ふきのとうの味噌和え作ってみたからちょっと味見してくれる?」。
ホントは利用者さんのお宅でゴチになってはいけないのだけど、一口いただく。
ほろ苦いふきのとうの味が味噌とよく合ってなんとも言えずおいしい。
父母はこんなものを食べていたのか。
コドモの私はこの味がわからなかったけれど、なんておいしいんだろう。
これこそオトナだけが理解できる味。
もっと食べたいーと思ったがぐっとガマン。
それ以来、道端のあやしそうなところにふきのとうがはえていないかそれとなく見てしまう。
今度実家から電話があったときにでも「ふきのとう出てたら送って」と言ってみよう。
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