夜の7時。
私とコドモたち3人分の夕食の用意をしていると、いきなり門があく音。
・・・えっ?ダンナ?

平日のこんな時間にダンナが帰ってくることなんてほとんどない。
たいていは11時をまわる。
私たちが寝てから、ということもめずらしくない。
だから、ほとんど夕食は3人分。
ずいぶん前はダンナの食べる分も、と少し多めに用意していたがムダになるともったいない。
だから、いつのころからか魚なら3匹とか肉なら3人分の量とか、デザートだってケーキだって買うときは3人分、というのが普通になっていた。

ダンナは夜ご飯、何を食べているか?
ときどきは自分でラーメンや牛丼を食べてくるらしいが、そうそうお金が続かないはず。
聞いたことがある。
ダンナがいうには、「社員食堂のオバチャン(といっても30そこそこ、だそうだ)があまったご飯でおにぎりを作ってくれる」とか「金持ってる独身のオッサンがいていつもおごってくれる」とか・・・。
そんなに毎日のようにおごってくれるなんて奇特な人もいるものだなあ、とも思うが。
ま、ウチで食べないなら食べないで3人分ですむので私も深くは追及しないけどね。

たまーに夜10時前に帰ってくるときは必ず「何か食べるものある?」と電話がある。
だから、夜の7時なんかに何も食べずに帰ってくることなんてありえない。

運の悪いことにその日のメニューはしょうが焼き。
それも、6枚だけ冷凍が残っていた豚ロース薄切り肉。
ハイエナのように食べるいきおいの中学生相手に6枚じゃハンパだったので、どうしようかなと思っていた食材。
3人で食べるのには足りないし・・・。
ということで、肉は3枚ずつコドモたちに食べさせて私は残っていた塩鮭でいいかなあと解凍しているところだった。

ドアを開けて入ってくるダンナ。
「なんで早いの?食べてきたの?」。
「いや。きょうサッカーだから」。
「食べるなら食べるで連絡してくれないとさあ・・・」。
・・・だって、いつもいないんじゃん。
急にふらっと帰ってきたってダンナの分の食事なんてあるわけないよ。
しかもよりによって数が決まってる肉だよ。・・ったく。
突然の帰宅に対してフキゲンにされたことをおもしろく思わなかったのか、それ以上の言葉はなし。

コドモたちには肉でダンナに塩鮭、というわけにもいかないので、6枚の肉を2枚ずつダンナとコドモたちに分ける。
私は予定通り塩鮭の焼いたもの。

並べられた皿を見て気づけよ、ダンナ!
自分が突然帰ってきたために、ひとり肉を食べられなくなった人がいてちょっと悪かったかなあ、と。
そして、その気はなくても一言「あっ、一枚あげようか」でもなんでも声をかけろよ。

私は別に肉が食べたかったわけではない。
はじめから魚でいいかなあ、と思ってたんだから。
それでもさ、なんつーかその場の空気とか皿の中身とか見て、気づいて声をかけるくらいあってもいいんじゃないか。
気づいたんだか気づかないんだか、なーんの言葉もなしでいつものようにムスムスとはしを動かすダンナ。

気の利く娘、並べられたお皿をパパッと見て「おかあさんだけ肉じゃない。一切れあげようか?」。
よし!
これだから持つべきものは娘だ。
「あっいいよいいよ。おかあさんはほら、中性脂肪値高いから。50代で脳の血管切れてオムツ生活はいやだしさ」と私。
娘も好物のしょうが焼きを私にくれるはずもないが、それでもそういう一言って大切だしものすごくうれしい。
ダンナも見習えよ・・・。

自分のウチなんだからいちいち連絡しないと帰ってきちゃいけないのか、と思うだろうダンナの気持ちはわかる。
たまに早く帰ってきたのに、というのもわかる。
でもさー・・・食べるなら食べるでこっちだって準備があるのに。
ダンナが帰ってくるんだったら、肉を解凍しないで別のものにしたのに。
別に食べたかったわけでもないしょうが焼きがとってもおいしそうに見えた夕食だった。

おまけに、フキゲンなダンナとサッカーを見るのもいまひとつだったので、前半と後半の半分見て「あー勝ったな」と思って寝てしまった。
見逃したぞ、怒涛の3点ゴール!(←ダンナのせい)

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