発売されたばかりのハチクロ最終巻を読む。
・・・うえええーーん。
ナミダが止まらないじゃんかよー。

ラストの場面が近づくにつれて胸がきゅきゅーんとして切なく悲しく・・・はぐちゃんから竹本くんに手渡されたサンドイッチを見たとたんナミダがあふれてしまう。
ううー青春だよぉぉぉ・・・。

夏休みのこと。
「ばあちゃんからもらったおこづかいで何かマンガ買いたい」と娘。
いっしょに本屋に行って目に入ったのが平積みされている「ハチミツとクローバー」全9巻。
ずいぶん前からウワサに聞いていた「ハチクロ」ってのがコレか。
ちょっと少女趣味な表紙だけど話題になってるなら読みたいな、と娘にすすめる。
「コレいいんじゃない?おもしろいらしいよ。どうせなら全部買っちゃいなよ」。と娘に全9冊を無理やり大人買いさせる。
ヤタッ!

「のだめカンタービレ」みたいなもんかな、と読み始める。
あちらは音大生、こちらは美大生。
学生さんたちが仲間同士の狭い世界で笑ったり悩んだりくっついたり離れたりする、そんな人間模様を美大の学生生活をからめて描いているのかな、と。

・・・確かに最初の方はそうだった。
絵もかわいいし笑える場面も多いしコメディタッチ。
でも・・・作者も意図したものではないだろうけど、巻がすすむにつれて路線が変わってきている。
3巻4巻を過ぎたあたりから、「もうすぐ終わってしまう学生生活」が前面に出され、なおかつ登場人物の気持ちにも感情移入できるようになり、読んでいてせつない。

人を好きだと思うことはこんなにもつらいこと、こんな思いをするのなら恋なんてしなければよかった、と顔をくしゃくしゃにして泣く美貌の山田さんに「うんうん」とあいづちを打ち、自分探しの旅に出たカワイイ竹本くんに「ガンバレ」と声援を送る・・・。

ああーそういえば遠い昔に私にもそういうことがあったよね・・・と青春の甘酸っぱさにホロリホロリ。
自分が何者なのかもどこへたどりつくのかもよくわからなくて、わけもなく不安になったり。
時間だけはありあまっていていろんなことを堂々めぐりで悩んだり。
世の中やいろんなことを知らないからこそ自分にヘンに自信があったり。
自分をゆずれなくて、自分にウソをつくくらいなら敵を作ってでも一人ぼっちになってもいい、なんて思ったり。
いろんな損得抜きで好きな人をとにかくただ好きだと思ったり。

・・・なんだかそういうことってぜーんぶオトナになるとなくなっちゃうもんなあ・・・思えば遠くにきてしまったもんだよ。
キンモクセイの香りが漂う中での学園祭準備とか、仲間たちと集まって過ごす最後のクリスマスとか・・・仲間たちといつもいっしょで笑ったり悩んだりした奇跡のような日々。
あったよね、私にも確かにそんな輝く日々があったよね・・・。

なんだろ?
このマンガを読んで甘く切ない気持ちになり、わけもなく泣きたい気持ちになってしまうのは、そこがもう自分には絶対戻れない遠い場所だから。
胸の中のずっと奥のほうで封印されていたなつかしく甘く切なくキラキラした時間が封印を解かれたようにぶわーっとよみがえってくるから。

「ボクがいてきみがいてみんながいて、たったひとつのものを探したあの奇跡のような日々は、いつまでも甘い痛みとともに胸の中の遠い場所でずっとなつかしく回り続けるんだ・・・」。
いいものを読ませていただきました。

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索