戦いのあと

2007年3月3日 日常
「・・・終わったんだなー。受験」。
「うん。終わったよ」。

後期受験終了のあと3日くらい、息子は毎朝起きてくるとしみじみとそう言い、私はそう答えた。

それまでは憎たらしいくらいにゆっくりと刻んでいた時が以前のように早く流れ始め、もう週末。
苦しい日々はゆっくりじわじわと過ぎ、穏やかな日々は早く流れるのね。

受験終了の次の日、主婦仲間たちとひさしぶりのランチに行った。
その日は、前期合格組と私立中に行っていて高校受験がないメンバー。
後期までのこの苦しみを知るのは私だけ。

なんというか・・・
暗くて長くて冷たいトンネルを急に抜けて春の光を浴びたモグラみたいな気分だった。
・・・世間はいつのまにか冬から春になっていたのだった。
どこに行ってもうきうきするような雛祭りの音楽が流れていて、桜のピンクや菜の花の黄色で春の彩り。
えー・・・世の中はこんなに楽しげな音や色であふれていたの?と思ってしまった自分がカナシイ。

いや、別に今までだって冬ごもりしてたわけじゃなく、普通に買い物にも行ったし、クリスマスも正月も節分もバレンタインもそれなりのことをしたよ。
でも、なんだか振り返るとモノクロ写真を見てるようなのだよ。
それに比べて、今このとき、この目に映るこの雛祭りの賑わいはどうよ?
モノクロがカラーになったって感じ、普通のテレビがハイビジョンになったって感じ?

「ホント、きょう誘ってもらってよかったよー。何食べてもおいしいし、いくらでも食べられる。こんなにしあわせなのはひさしぶり」と言うと、
「・・・ほんとにつらかったんだねえー・・・」と主婦仲間たちに気の毒がられた。
勢いでランチバイキングもすべての品目を制覇。
1年に一度の会社の健康診断直前なのに、取り返しのつかないことをしてしまった。

家に帰って、主婦友たちに気の毒がられた話をする。
息子「受験したのオレじゃん。おかあさんは何が大変だったの?」。
・・・・・えっ。

たしかになあー。
そう言われればそうなのか?
まったく、「親の心、子知らず」とはよく言ったもので。

万全のサポートはしたつもりだが、受験校を変更しないで最後まで走ってきたのは息子だもんな。
受験って長距離マラソンみたいだな・・・。
あまりの苦しさに「ここらでもういいや」と思ったものから脱落していく。
敵は、他人じゃなくて自分の弱い心だ。
あらためて自分自身の受験のこととか思い出してそう思う。

まあ、この土日までは解放感にひたっておこう。
審判のときは来週。

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