もうかる介護

2007年6月10日 日常
コムスン問題がニュースを賑わしている。

訪問している先々でおじいちゃんおばあちゃんに「おたくはだいじょうぶなの?」と心配される。
「だいじょうぶですよー」と返すけど・・・ほんとにだいじょうぶかなーと笑顔の奥に一抹の不安がよぎったりもする。
だって、私たちのようなパートは、会社の経営陣が何考えてるかわからないもんなあ。
現場で汗して働いているコムスンのヘルパーたちだって、まさかと思っただろう・・・現場の人たちが気の毒だ。

もっと気の毒なのは、コムスンのサービスを受けていたお年寄りたち。
サービスが受けられなくなることはないだろうが、なじんでいたヘルパーさんがこれなくなったら、また新しい人間関係を一から築きなおさなくちゃいけない。
新規や更新時にはやたらと書類を書かなくちゃいけないし、さまざまなことがお年寄りにはものすごく負担だろう。

介護は「人との出会い・ふれあい」で、日々学ぶことが多い現場だ。
人の数だけ人生があり、家族の数だけ生き様がある。
いろいろなことを見たり聞いたりすることで考えさせられることは多い。

それでも、今回のようなことが起こると、「ああーそうか。介護もビジネスなのか」「会社だって利益を追求してるんだ」とあらためて気づかされる。
民間の会社である以上、利益追求は必要なことだろう。
だけど、折口会長の収入や暮らしぶりが報道で明らかにされるにつれ「へえーそんなにもうかるの?」と驚くばかり。
だって、そもそも介護保険の事業ってもうかるもんじゃないだろう。
もうけたいなら介護保険制度の事業に参入しないで別のやりかたを考えればよかったんじゃないの?と思う。

介護保険料は、給料や年金から天引きされて40歳以上の人たちはみんな払っている。
介護サービスを受ける場合は、さらにお金を払って利用する。
利用者の負担は自治体によって差はあるけれど、生活援助(掃除・洗濯・調理・買い物など)で一時間200円ちょっと。
身体介護(オムツ交換・トイレ介助・食事介助・入浴介助など)で一時間400円ちょっと(あ、もっと高いかな)。
この料金は一割負担の金額なので、残りの9割は国と地方自治体が負担している。(←私たちが払っている介護保険料より)

だから、「介護保険事業でもうける」というのは、40歳以上の国民のわずかな給料なり65歳以上のお年寄りの少ない年金なりから天引きされている介護保険料も使ってもうけているってこと。
なんだかそう考えるとハラがたつのだった。

老人世代の格差はやはり激しく、金持ちはとことん金持ちだしビンボはビンボ。
毎日のように季節のくだものや北海道産の魚、各地のお取り寄せの品々を食べているお年寄りがいるかと思えば、米を買うのもままならない人もいる。
少ない年金から介護保険料が天引きされているため、一割負担さえきびしくて介護保険そのものが使えないお年寄りだっている。

だからさ、折口さんみたいにもうけたい人は金余りの人向けに「全額個人負担の高齢者サービス事業」を起こせばいいんじゃないの?
石原さとみみたいな昭和の香りのする若いヘルパーさんをとりそろえてじいさんにお料理やお掃除のサービスをするとか。
ばあさんには東山紀之や筒井道隆あたりが好みのタイプかな。
将来的には、オタク利用者様向けにネコ耳メイド服のヘルパーさんがオムツ交換ってのもアリかも。
お話相手に来てくれるだけで一時間5000円払ってもいいっていう需要はあると思うけどなあー。

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