友情よりお金

2007年12月15日 日常
一週間はあっという間。
今期のドラマも終盤にさしかかる。

今回の金八シリーズは、一話完結っぽくてちょっとユルいかなーと思いつつも見ている。
先週のモンドのお話、今週のチヒロのお話はものすごくよかった。
今回のシリーズは世相に反映して、学校裏サイト・プロフ・チェーンメール・ネットオークションなどなど扱っており、「なんだかよくわからないけど何やら中学生の世界で起きてるぞ」感がものすごくよく出ている。

今週は、「友情よりお金」とつぶやき友達にお金を貸して利子をもうけたりモニターでかせいだりするチヒロのお話だった。
裏サイトがきっかけで、手錠・セーラー服・体操着etc.が嗜好のオトコの部屋に連れ込まれ、間一髪・・ではあったが。
そのシーンはなかなかリアルで、いっしょに見ていた息子も娘も思わず場面に釘付け。

娘の中学校でも「プロフなどで個人情報を公開すると思わぬ犯罪にまきこまれる可能性がありますので、注意」みたいなお手紙がよく渡される。
が、そんなの中学生にはピンとこないだろう。
100回言葉で繰り返されるより、こういう映像こそが「ああーキモイっっ!こんなことになったらイヤだっっ!気をつけなくちゃ」と思うんだよね。

そして、金八先生の授業。金八節全開で、考えさせられる。
クラスのひとりひとりに「お金で買える今一番ほしいもの」「お金で買えないもの」を考えさせる。
「ほしいもの」としては「スポーツカー」「犬」「優勝トロフィー」などがあげられていた。
金八先生はそのひとつひとつに「でも、実は本当にほしいものというのは、お金では買えないものなんじゃないか?」と問いかけていく。
「スポーツカー」がほしいという子には「実は本当にほしいのは、『かっこいい車に乗っていてすごいねと言ってくれる仲間』とか『そう言われていい気持ちになりたい自分』とかじゃないかな」と。

そのやりとりを見ながら、自分でも考える。
私がほしいお金で買えるものは何か?
その「ほしいもの」の裏にある「ほんとうにほしいもの」は何か?

・・・今ゆとりのお金があったら「Wii Fit(本体も)」か「ロデオボーイ」みたいなエクササイズものだなあ。
ひるがえせば「健康で美しい体」がほしいってことだな。
そしてどんな服でも似合って「若々しいね」という評価が人から得られること、そういうことだ。
・・・犬もほしいな。
ああ、これはきっと私は「癒し」を求めているんだ。
ハムちゃんじゃ小さすぎて物足りない。
ちぎれるほどしっぽをふって「おかあさん!おかあさん!」と甘えてくるふわふわの暖かい生き物。
コドモたちが大きくなった今、寄り添ってくる優しいぬくもりとか全面的な信頼を寄せられている感覚とか、そういうのがほしいんだ。

でも・・・。
そこまで考えて思考は一時停止。
ダメだ。私には「時間」がない!
フィットネスをしている時間も犬とふれあっている時間もない。
「Wii」があったって「ロデオボーイ」があったって、きっとホコリをかぶっているだけになってしまい、逆にストレスがたまる。
犬がいたってお散歩にいく時間もないし、いっしょにゆっくり遊ぶほどの時間もなくてかわいそうなことになってしまう。

だから、私が今一番ほしいものは「時間」だ。
時間があれば、もっといろんなことができる。
美容と健康のためウォーキングに行ったりストレッチしたりできる。
もっと読書したり映画を見に行ったり見逃した映画のDVDをレンタルして見たりできる。
庭にもっと四季の花や木を植えたり実のなるものを植えたりして、手入れの行き届いたガーデニングができる。
畑に野菜を作って、その畑のものや果実で漬物や焼き菓子を作ったりもできる。
主婦友たちとももっと交流ができるし、家の中だってもっと整えて気持ちのいい暮らしができる。
時間があれば、もっとあれもこれも・・・。

と。
ここまで考えて、また思う。
ちょっと待てよ。
「時間」がないのはなぜ?
・・・働いているから。
働いているのはなぜ?
・・・お金が必要だから。
やりがいとか世のため人のためとか、働く意味はいろいろあってもちろんお金だけじゃない。
でも、お金がほしいから、じゃなくて「必要」だから働かなくちゃいけない。
ということは・・・「時間」もお金で買えるのか・・・。
優雅なマダームならば、働かなくてもいいもんな。

そこで金八先生の授業に戻る。
「お金で買えないもの」として「仲間」「友情」「愛情」などあげられていた。
未来ある中学生に対して「お金で買えないものが本当は大切なものなんだよ」と教えることは間違っていない。正しい。
その通りだし、それがそれとして通る世の中であるべきだ。

でもね、キンパチ先生・・・今の私には「お金がなくても愛や友情があれば」なんて言い切れないよ。
一昔前のみんなが貧しかった昭和の時代ならそれもアリだろう。
でも、この平成の格差社会の中でがんばって働いても、しょせんサラリーマン家庭では税金でどかんと引かれ生活必需品の値上がりで生活は苦しくなる一方。

・・・お金がないと心がすさむよ。
「愛」なんて不確実なものはビンボーという現実を前にしてガラガラと音を立てて崩壊するのであった・・・。
「金で買えないものはない!」と言い切ったホリエモンは過去の人になってしまったが、ある程度オトナになったら時間も愛情も仲間もお金で買えたりするものなのかもなあ。

「友情よりお金」のチヒロがあんなにがめつくなったのも、日々おとうさんとおかあさんがお金のことで言い争いをしているのを聞いて生活しているから。
チヒロが「ほんとうにほしかったもの」は、おとうさんとおかあさんの笑顔とギスギスしていない温かい家庭だったんだろう。
あー、身につまされるぅぅぅー。

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