風が強くて冷たくて。
北国育ちなので寒いのはつらくないけど、頭の芯まで冷えるようなこのからっ風がねえー・・・。

きのうは娘の受験する私立高校の願書を提出に。
息子のときは郵送だったが、娘の学校は持参。
娘、出しにいって帰ってきて「うわー。もう燃え尽きたってカンジ?」と昼寝。
・・・燃え尽きるほどやってないみたいなんですが。

実家に電話して父と話す。
「おれも今まであまり本気で病院にもついていってなかったし。薬も何飲んでるかもわかんなかったから、今一覧表にしているところだ」と。
・・・私もそうだった。
母が「だいじょうぶ。だいじょうぶ」と言うから安心して、正月に行ったときでさえ薬もちゃんと見てこなかった。
母は高血圧・糖尿病で心臓にカテーテルも入れている。
その上、ここのところ夜眠れなくて睡眠導入剤も飲むようになった。

総合病院に通っているからだいじょうぶなんだろう、と私は思っていた。
が、きのうの父の電話ではそうではなさそうで。
父もこうなって初めてよく話を聞いてから気づいたことであきれていたが、総合的に病状を診てもらっているわけではなさそうなのだ。
総合病院・・と言っても田舎のことなので、先生方はみんな週に何回、と違う病院から来る人ばかり。
しかも、糖尿病を診てくれていた先生は2年ほど前にこなくなり、それからは検査もしていないという。

月に一度の診察も「お変わりないですか?」「はい。じゃあいつもの薬を出しておきましょうね」で終わり。
「薬を飲むと肩がしびれる」と訴えると、整形外科に回されて血行の薬を出されて飲む。
「目の底が痛い」と言うと眼科に回されて目の検査をし、薬を出される。
そんなこんなで薬は増えていったらしく、飲むと調子が悪くなってしまう薬もあるとのこと。
私が「肩とか目が痛かったのは糖尿からくるものだったんじゃないの?」と父に聞くと、「そうだったかもしれないが、糖尿の先生がいないっていうんだから」と。
総合病院なのに、スタッフの数が足りないからだろうが入院患者も受け入れられないらしい。
母も心臓の手術をしたときは紹介状を書いてもらって、別の病院に入院した。
その後はまた戻されて今の病院に通院しているけれど、月イチで診てくれる先生もころころ変わり今までの母の病歴を知らずに診察したり・・・らしい。

大きい病院に行きたくても紹介状がなければ行けず、しかも遠くて簡単には通えない事情があり・・・。
今は父が車で病院に連れていっているけれど、父の運転があやしくなったら一体どうやって通えばいいのか。
・・・地域医療がどうのこうの騒がれているが、地方の医療事情のお寒い現実にあらためてため息が出る。

元気なうちは田舎暮らしもいい。
ついこの前までは父母もそうだった。
四季おりおりに変化する大自然に囲まれ、家の敷地内にはたけのこが採れる竹林や柿・栗・くるみ・タラの芽・ふき・みょうがなどの木の実や山菜がとれる林もある。畑にはとれたての野菜。
池には鯉が放たれ、初夏にはつつじ・秋には菊が咲き乱れる。
近所の人たちとの交流も盛んで、畑でとれた野菜や手作りの漬物などを持って集まり茶飲み話によく花を咲かせていた。
近くにはコンビ二もあるし、車で少し行けば巨大なスーパーマーケットもあり生活に困ることはなかった。
私も妹もそして母も、泊まりに行くたびに「男の子のきょうだいがいなくてよかったね。お嫁さんがいたらこんなに気楽には泊まりにこれなかったものね」といつも言っていた。

それが・・・父母も年をとると敷地内の草取りや落ち葉はきからしてどうにも手が回らない。
近所の茶飲み友達もそれぞれ足腰を悪くし、アップダウンのある田舎道は歩けなくなる。
近くのコンビニに行くにもちょっとした坂道があるので行けなくなる。
スーパーでまとめ買いするのはいいが、買ったものを忘れて冷蔵庫で悪くしてしまう。たくさんのものも運べない。
今は母の調子が悪いので、父がすべて買い物や家の周りの掃除などしているらしいが、父も具合が悪くなったらどうにも二人暮らしは難しい。

そう考えると・・・ふと実家の近所を見るとやっぱりそういう家が何軒かある。
うちと同じく娘を嫁に出してしまった家はそうだ。
逆に「あそこは嫁さんもらったはいいけど、台所仕事全部おばあちゃんケチつけられて大変みたい。うちは気楽でいいわ」と母が言っていた近所の同居家族のほうが、今の私からすると「息子やお嫁さんや孫たちがいっしょで安心だ」と思えてしまう。
人間って勝手なものだ・・・。

私がもし長男だったらどうだったろうか?とかいろいろと考えては見るものの、そんな「もし」とか「たら」とか「れば」とかいう状況を考えたってしょうがないんだよね。
ただ言えるのは、今の自分たちの生活を「堤防を決壊」させることなく守ること、が今の私にできることなんだろうか。
娘が自分の人生を後悔してくよくよしている、とか、父母のことをいつも心配している、とか、そんなのは親にとってうれしいことではないだろうな。
母が飲んでいる薬も調べてみなくちゃ。

私もコドモの手が離れたら実家に戻ろうか・・なんて思ったこともあったが、リコンすることだって老後の田舎暮らしだってそんなに甘いものではないんだ。

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