2泊3日で晩秋というより初冬の実家に。
いつもなら私が帰れば3泊ほど母を施設から連れ帰るのだが、今回は外泊見送り。
だいぶ弱って、なんとか手を引けば歩くがひとりではトイレも移動もままならない。食事もとろみ食を時間をかけて食べさせる状態。
9月下旬に行ったときは、人の分まで手づかみでとって食べていたのに、急に弱ってしまった。
記憶の糸がつながったり途切れたりするので、私のこともわかったりわからなかったり。
家に連れ帰ったとして・・・風呂入れは厳しいにしても1泊や2泊のお世話くらいなんとかなると思ったが、問題は実家の寒さ。
施設は管理された快適な空間。暖かくて湿度もちょうどいい。少しでも着込んでいると汗ばむほど。
それに比べて実家はどんなに暖房したところで空気の逃げ道がいくらでもあるのでどうしても寒い。
去年の冬、電気毛布をしてベッドに寝ていても「さむいさむい」と言っていた母を思うと、やっぱり大変かなと思う。
そして、家に帰ったあとは心が乱れるらしく、施設に戻ったときは夜中にいない父の姿を探して徘徊しようとして転んでしまうのがいつものこと。
青あざくらいですめばいいが骨でも折ってしまったら大変だ。
そう思うと今回は見送り、というか、もう家に連れて帰ることがあるんだかないんだか。
寒いから、という点で判断すると年末年始も母は施設で過ごすことになる。
実家の母のベッド周りは9月の外泊で連れ帰った時のまま。
いつ戻ってもいいように、ベッドもポータブルトイレも雑貨類もそのときのまま。
あのとき、またすぐ戻るのだからとなだめながら母を施設に戻し・・・もしかしたらもう連れてくることもないのかも、と思うとせつない気持ちになる。
でもあの底冷えする寒さを思うと、年末年始くらい家で過ごさせてあげたいなあ、と思うのは感傷でしかないのかも。
さて、父だけならひととおり家の掃除をしたり冬支度をしたりする程度。
家の掃除といってもヘルパーさんが週に一度来ては居間と台所をきれいにしていってくれるので、80歳の爺の一人暮らしにしてはちゃんと片付いていた。
食事も、父は私と同じく食いしんぼなので、テレビや本を見て作ったとか買ってきたとかいうものでそれなりに食べているらしい。
行った時も、栗とさつまいものご飯、具だくさんのすいとん、大根や根菜類の煮物など、とてもおいしく調理されたものが鍋に入っていた。
若いときにひとり暮らしをしたことがあるとはいえ、75歳まで家事をすべて母にまかせっきりにしていたにしては、けっこう腰が軽くいろんなことにチャレンジしているのはすごいと思う。
白菜の漬物をつけたり干し柿を作ったり切干大根を作ったり、私にはとてもマネできないマメさ。
一泊して、次の日は妹と待ち合わせしていっしょに施設の母のところに行くことになる。
「おじいちゃんの服がぜーんぶ穴だらけだから、おばあちゃんのところに行くついでに買いに行こう!おじいちゃんにお金持ってくるよう言って!」と電話で妹。
母を訪問し、とろとろやらゼリー状やらの食事を食べさせる。
なんだかもう以前の母のようではない。ほんとにこのまま家に戻ることもないかも・・・と思う。
その後父と妹と3人で回転寿司へ。
チェーンの100円寿司なのだが、ネタもごはんものりも味が違いさすがにおいしい!
埼玉あたりの回転ではウニやかにみそやアンキモなど食べられたものではないが、おいいくて感激した。「おじいちゃんと回転寿司に来るなんてねえ」としみじみ。
家族での外食はほとんどなかった。
母があまり食に意欲がなくわざわざ食べに行くこともなかったし、食べるといってもせいぜい出かけた流れでしょうがなくラーメン程度。
母も元気でいれば、孫たちも大きくなり娘たちがまたこうして戻って4人で食事に行くこともあったのだろうに・・・と思う。
さて本当に父の服はぜーんぶ穴だらけなのか。
そんなことはない!という父にかまわず、姉妹でひととおり着てきた服を点検すると・・・ジャケットの腕のところに穴。ズボンのひざの横にも穴。セーターにも確かに穴。打率10割?
実家は薄暗く、また父も目が悪くなったりもあって着た服をよく確認することもないのだろう。
施設など明るいところで待ち合わせする妹はいつもついつい服の穴に目がいってしまうらしい。
「このズボンなんて上下で30万もしたのに」と父。「洋服屋にだまされていっぱい作らされた」と。
「おじいちゃん、不潔にしてるからじゃない?湿っぽくて薄暗い部屋のタンスに入れてるから!」と妹。
妹も私も「うちなんか虫に食われたことなんかないよ!おじいちゃんだけだよ、こんなに虫食いだらけなの」。
セーターや上着やマフラー、ズボンやらあったか下着やらをパッパッと籠に入れ、父の財布から会計。
「あーよかった。おねえちゃんがいるからおじいちゃんの服の買い物にも来れたよ。おじいちゃんケチだから買わなくていいって言うし、買って行ってやってももったいないとか言うし」。
帰りがけ、出口にリフォームコーナーがあったので、穴がいくらでなおるか聞いてみることに。
お店のやさしそうな老婦人、「カケハギっていうほんとにきれいに目立たなくするなら3500円。ただザクザク縫い込むなら2000円くらいですねえ。・・・でもこれはずいぶん良いものですよね。きちんとお直ししたほうがいいですよ」。
父「そうだよなあ。高かったからなあ」と少し得意げ。
「もう管理が悪くて、父の服はみんな穴だらけで」と妹が言うと、お店の人「良いものだからですよ。絹とかウールとか本物でおいしいから虫も食べるんですよ。化繊なんておいしくないから虫もつかないでしょ」と。
ああーっ。そうなんだ!
うちのも妹のも虫に食われないのは「清潔にしてきちんと収納してある」からではなく「安物だから」!
私と妹は顔を見合わせ、強力な味方を得た!とばかりの父の得意そうな顔つきを横目で見る。
結局、その場で父は穴のあいた上着とズボンを脱いで買ったばかりの服に着替え穴の修理をお願いすることに。
あとで、・・・いつクリーニングに出したんだかわからない老爺のジャケットとズボン、脱ぎたてホヤホヤをそのまま置いてきたのはお店の人に悪かったのでは?と反省。
いつもなら私が帰れば3泊ほど母を施設から連れ帰るのだが、今回は外泊見送り。
だいぶ弱って、なんとか手を引けば歩くがひとりではトイレも移動もままならない。食事もとろみ食を時間をかけて食べさせる状態。
9月下旬に行ったときは、人の分まで手づかみでとって食べていたのに、急に弱ってしまった。
記憶の糸がつながったり途切れたりするので、私のこともわかったりわからなかったり。
家に連れ帰ったとして・・・風呂入れは厳しいにしても1泊や2泊のお世話くらいなんとかなると思ったが、問題は実家の寒さ。
施設は管理された快適な空間。暖かくて湿度もちょうどいい。少しでも着込んでいると汗ばむほど。
それに比べて実家はどんなに暖房したところで空気の逃げ道がいくらでもあるのでどうしても寒い。
去年の冬、電気毛布をしてベッドに寝ていても「さむいさむい」と言っていた母を思うと、やっぱり大変かなと思う。
そして、家に帰ったあとは心が乱れるらしく、施設に戻ったときは夜中にいない父の姿を探して徘徊しようとして転んでしまうのがいつものこと。
青あざくらいですめばいいが骨でも折ってしまったら大変だ。
そう思うと今回は見送り、というか、もう家に連れて帰ることがあるんだかないんだか。
寒いから、という点で判断すると年末年始も母は施設で過ごすことになる。
実家の母のベッド周りは9月の外泊で連れ帰った時のまま。
いつ戻ってもいいように、ベッドもポータブルトイレも雑貨類もそのときのまま。
あのとき、またすぐ戻るのだからとなだめながら母を施設に戻し・・・もしかしたらもう連れてくることもないのかも、と思うとせつない気持ちになる。
でもあの底冷えする寒さを思うと、年末年始くらい家で過ごさせてあげたいなあ、と思うのは感傷でしかないのかも。
さて、父だけならひととおり家の掃除をしたり冬支度をしたりする程度。
家の掃除といってもヘルパーさんが週に一度来ては居間と台所をきれいにしていってくれるので、80歳の爺の一人暮らしにしてはちゃんと片付いていた。
食事も、父は私と同じく食いしんぼなので、テレビや本を見て作ったとか買ってきたとかいうものでそれなりに食べているらしい。
行った時も、栗とさつまいものご飯、具だくさんのすいとん、大根や根菜類の煮物など、とてもおいしく調理されたものが鍋に入っていた。
若いときにひとり暮らしをしたことがあるとはいえ、75歳まで家事をすべて母にまかせっきりにしていたにしては、けっこう腰が軽くいろんなことにチャレンジしているのはすごいと思う。
白菜の漬物をつけたり干し柿を作ったり切干大根を作ったり、私にはとてもマネできないマメさ。
一泊して、次の日は妹と待ち合わせしていっしょに施設の母のところに行くことになる。
「おじいちゃんの服がぜーんぶ穴だらけだから、おばあちゃんのところに行くついでに買いに行こう!おじいちゃんにお金持ってくるよう言って!」と電話で妹。
母を訪問し、とろとろやらゼリー状やらの食事を食べさせる。
なんだかもう以前の母のようではない。ほんとにこのまま家に戻ることもないかも・・・と思う。
その後父と妹と3人で回転寿司へ。
チェーンの100円寿司なのだが、ネタもごはんものりも味が違いさすがにおいしい!
埼玉あたりの回転ではウニやかにみそやアンキモなど食べられたものではないが、おいいくて感激した。「おじいちゃんと回転寿司に来るなんてねえ」としみじみ。
家族での外食はほとんどなかった。
母があまり食に意欲がなくわざわざ食べに行くこともなかったし、食べるといってもせいぜい出かけた流れでしょうがなくラーメン程度。
母も元気でいれば、孫たちも大きくなり娘たちがまたこうして戻って4人で食事に行くこともあったのだろうに・・・と思う。
さて本当に父の服はぜーんぶ穴だらけなのか。
そんなことはない!という父にかまわず、姉妹でひととおり着てきた服を点検すると・・・ジャケットの腕のところに穴。ズボンのひざの横にも穴。セーターにも確かに穴。打率10割?
実家は薄暗く、また父も目が悪くなったりもあって着た服をよく確認することもないのだろう。
施設など明るいところで待ち合わせする妹はいつもついつい服の穴に目がいってしまうらしい。
「このズボンなんて上下で30万もしたのに」と父。「洋服屋にだまされていっぱい作らされた」と。
「おじいちゃん、不潔にしてるからじゃない?湿っぽくて薄暗い部屋のタンスに入れてるから!」と妹。
妹も私も「うちなんか虫に食われたことなんかないよ!おじいちゃんだけだよ、こんなに虫食いだらけなの」。
セーターや上着やマフラー、ズボンやらあったか下着やらをパッパッと籠に入れ、父の財布から会計。
「あーよかった。おねえちゃんがいるからおじいちゃんの服の買い物にも来れたよ。おじいちゃんケチだから買わなくていいって言うし、買って行ってやってももったいないとか言うし」。
帰りがけ、出口にリフォームコーナーがあったので、穴がいくらでなおるか聞いてみることに。
お店のやさしそうな老婦人、「カケハギっていうほんとにきれいに目立たなくするなら3500円。ただザクザク縫い込むなら2000円くらいですねえ。・・・でもこれはずいぶん良いものですよね。きちんとお直ししたほうがいいですよ」。
父「そうだよなあ。高かったからなあ」と少し得意げ。
「もう管理が悪くて、父の服はみんな穴だらけで」と妹が言うと、お店の人「良いものだからですよ。絹とかウールとか本物でおいしいから虫も食べるんですよ。化繊なんておいしくないから虫もつかないでしょ」と。
ああーっ。そうなんだ!
うちのも妹のも虫に食われないのは「清潔にしてきちんと収納してある」からではなく「安物だから」!
私と妹は顔を見合わせ、強力な味方を得た!とばかりの父の得意そうな顔つきを横目で見る。
結局、その場で父は穴のあいた上着とズボンを脱いで買ったばかりの服に着替え穴の修理をお願いすることに。
あとで、・・・いつクリーニングに出したんだかわからない老爺のジャケットとズボン、脱ぎたてホヤホヤをそのまま置いてきたのはお店の人に悪かったのでは?と反省。
コメント
お洋服の虫食い、そうなのか~、と私も目からウロコでした。
道理で我が家も、ずさんな管理なのに虫に食われることがないはず・・・(^_^;)
3500円安いですよ。私、スーツのほんの てん!くらいのかけつぎで8000円くらい取られました。(結果は見事なできばえだったのでまあ、しゃあないか・・と思っていますが)
何事もなければ85まではいけるかな?と思ってたのですが、どこかでちょっと何かあるとガタガタといくのが高齢者。ちょっとかぜひいたとかちょっところんだとか少しのことでもこわいです。車社会なので運転してるってのも恐ろしいし。でも田舎だから車がないと生活成り立たないんだよねえ。
神様に心の中で手を合わせる日々です。
☆ありすさま
虫食いのお直し。妹ができあがりを写メってくれました。1.5ミリくらいの穴があったのにホントにきれいに何もなくなってました!すごい技術!
上下2着ずつほど修理に出すようです。新しいのを買った方が安いのでは?とは思うお値段につきそうです。
☆kazatoさま
お父さま新しいPCで日記なんてすごいですね。
何度も鍋を焦がしているので先日IHを入れる提案をしましたが、うちの父はもう新しいものは使えないって言ってました。とりあえず新しいガス台にして鍋かけっぱなしだと消えるタイプにはしたんですが・・・。
資産整理はなかなか言い出せないなあ。最近はちょっと込み入ったこと話すとすぐイラッとすることが多いし。