先週末、父母の様子伺いに実家へ。
月イチ訪問のはずがちょっと空いてしまった。
新幹線の駅から母の施設へ直行。
「限りなく低空飛行だけどまあまあ変わりない」との父の言葉をよりどころとして訪問。
ベッドに横になったままぽっかりと開いた目でゆっくりと私を見る母。口もぽっかりあいたまま。
まだ80前なのにすっかり痩せて(30キロ切った)ますます老け込んで90過ぎた老婆のよう。
「・・・だれきたの?」。「娘さん来たよ。長女さんだよ。よがったね」。
施設の職員さんが何度も教えてくれるがやっぱりピンとこない様子。まあそうだよね。
日が差せば蒸し暑い日だったので、ほとんど横になったままの母の額のあたりや背中は汗ばんでいる。手足もしっとりとあたたかい。
ちょうど3時のおやつの時間なのでりんごソースがかかったヨーグルトととろみのついたお茶が運ばれる。
ベッドの背を起こし胸元にタオルをかけて一口ずつスプーンで口に運ぶ。
ひところまるで飲み込みができなくなってもう終わりかと覚悟を決めたことがうそのように、調子よくゴックン。
あれから半年過ぎてまだ命永らえていることに感謝。
ひな鳥が食べ物を催促しているようにぱかっぱかっと口をあけ早いペースで終了。
手足をさすったり口にヨーグルトを運んだりする私を母は不思議そうにじっと見る。
・・・こうして自分をお世話してくれる人がいるけれど一体この人はどこのどなたかしら?そんな感じ。いやいや。こうやっておらに何が食わせる人はどごのどなたさまだべ?
特にすることもないのでこの頃はいっしょに歌を歌う。
仕事先で訪問する寝たきりのお年寄りでほとんど会話が成り立たない人でも、ふしぎに歌は覚えていて歌えるから。
母もまともなときは歌なんて全く歌わない人だった。
以前の母ではなくなってあっちの世界に行ってから「♪うさぎうさぎ何見てはねる」とか「♪さいたさいたチューリップの花が」とか歌うようになった。
季節がら「♪あめあめ降れ降れかあさんが」とか「♪雨降りお月さん雲のかげ」とか「♪雨が降ります雨が降る」とかいっしょに歌う。
最近ちょっと私は軍歌が歌えるようになったので、「知ってるかなあ?」と思いながら歌ってみる。
「♪勝ってくるぞといさましくー」・・・私が歌いだしたら母にスイッチが入ったようだった。童謡の歌詞はあやふやなのに、この歌はフルコーラス歌えたのはこちらがびっくり。
「♪進軍ラッパいさましく」と私が歌ったら「進軍ラッパ聞くたびに!」と訂正された。
「おばあちゃんなーんでこの歌知ってんの?」と聞くと、それまでさまざまな問いかけにもモヤがかかったような答え方だったのに「兵隊さんが戦地さ行ぐどぎにみんなで神社さ集まって歌ったんでがす」と。
・・・歌って不思議だなあ。
昔覚えた歌は何十年も歌ってなくてすっかり忘れていても、それはちゃんと記憶の引き出しの中に入っている。
先日テレビで昭和のなつメロをやっていて、私も「恋の季節」とか「ブルーシャトー」とか勝手に歌詞が出てきてびっくりだった。
さて、実家訪問の楽しみはスーパーで買ってきて食べる新鮮な三陸の海の幸。
お刺身はいつ何を食べても新鮮でうまい!
今回はかつおが旬で2日連続かつおの刺身を買ってきて食べた。なんたって安いのよ。
それに「そろそろかな?」と心待ちにしていた三陸の夏の味覚ホヤと生ウニ。
殻つきのホヤはまだちょっと早かったのでパック詰めされたものを食べたが「ああーコレを食べないと夏が始まらない!」といった趣。
一口含めば磯の味が口いっぱい広がり、ほろ苦くほろ甘く少ししょっぱく少し酸っぱく。
そして牛乳瓶に塩水とともに詰められた生ウニの季節到来。
アツアツのごはんにちぎった海苔をしきつめてその上にビンからすくった生ウニをとろりとトッピング。口の中でとろけてこれ以上はないという甘やかな味わい。
ごはんの甘味とウニの甘味しょっぱみ、海苔の香ばしさの三重奏。
「父なる海よありがとう」って海の恵みに感謝感謝です。
(海=父かどうかは不明だが、母なる大地って言葉もあるくらいだからね)
実家で独居の父は、脳梗塞後の生活もなんとかなんとかやっている様子で安心した。
週に3日ヘルパーさんが来て週イチで理学療法士さんの訪問リハビリ。隔週で母の施設に一泊二日のショートステイ。
近所の人たちも訪れたりしてなかなか多忙なよう。
確かに歩く姿はよたよたして以前のようではないが、最近はまた簡単な調理もやっているようだし、畑にトマトやピーマンなど夏野菜も植えてあった。
なんとあんなに反対した車も運転しているようで、これはどうしたものか。
テレビが字幕モードにしてあった。
隣の若いもん(といってもアラフィフ)にやってもらったと。
耳の聞こえが悪いと以前言ったので一度私が字幕にしたのだが、「じゃまだ」と消したのだったが。
「『あまちゃん』(朝ドラ)のばあさんだぢが何言ってっかさっぱり聞けなくてわがんねもの」と。
じぇじぇ?
父だってバリバリの東北弁なのに?近所のじいさんばあさんだってドラマよりもっとなまってるのに?
それに「ばあさんだぢ」って・・・海女クラブのお姉さま方に80の父が言うとは失礼な。
私は毎日あの北三陸の言葉をエセだと思いながらも「なつかしいーー」とうれしく見ている。
観光協会の菅原さんと海女の長内さん、渡辺えりのダンナ役の人がしゃべると「うわ!ネイティブの発音!」とうれしくなるし。
まあどうやら、耳が多少あやしくなった年寄りには同じ東北弁でも公共放送では聞きづらいってことか。
おそらく今週から始まった「あまちゃん・東京編」は父にはさらに話の展開も言葉も理解不能だろうなあ。
月イチ訪問のはずがちょっと空いてしまった。
新幹線の駅から母の施設へ直行。
「限りなく低空飛行だけどまあまあ変わりない」との父の言葉をよりどころとして訪問。
ベッドに横になったままぽっかりと開いた目でゆっくりと私を見る母。口もぽっかりあいたまま。
まだ80前なのにすっかり痩せて(30キロ切った)ますます老け込んで90過ぎた老婆のよう。
「・・・だれきたの?」。「娘さん来たよ。長女さんだよ。よがったね」。
施設の職員さんが何度も教えてくれるがやっぱりピンとこない様子。まあそうだよね。
日が差せば蒸し暑い日だったので、ほとんど横になったままの母の額のあたりや背中は汗ばんでいる。手足もしっとりとあたたかい。
ちょうど3時のおやつの時間なのでりんごソースがかかったヨーグルトととろみのついたお茶が運ばれる。
ベッドの背を起こし胸元にタオルをかけて一口ずつスプーンで口に運ぶ。
ひところまるで飲み込みができなくなってもう終わりかと覚悟を決めたことがうそのように、調子よくゴックン。
あれから半年過ぎてまだ命永らえていることに感謝。
ひな鳥が食べ物を催促しているようにぱかっぱかっと口をあけ早いペースで終了。
手足をさすったり口にヨーグルトを運んだりする私を母は不思議そうにじっと見る。
・・・こうして自分をお世話してくれる人がいるけれど一体この人はどこのどなたかしら?そんな感じ。いやいや。こうやっておらに何が食わせる人はどごのどなたさまだべ?
特にすることもないのでこの頃はいっしょに歌を歌う。
仕事先で訪問する寝たきりのお年寄りでほとんど会話が成り立たない人でも、ふしぎに歌は覚えていて歌えるから。
母もまともなときは歌なんて全く歌わない人だった。
以前の母ではなくなってあっちの世界に行ってから「♪うさぎうさぎ何見てはねる」とか「♪さいたさいたチューリップの花が」とか歌うようになった。
季節がら「♪あめあめ降れ降れかあさんが」とか「♪雨降りお月さん雲のかげ」とか「♪雨が降ります雨が降る」とかいっしょに歌う。
最近ちょっと私は軍歌が歌えるようになったので、「知ってるかなあ?」と思いながら歌ってみる。
「♪勝ってくるぞといさましくー」・・・私が歌いだしたら母にスイッチが入ったようだった。童謡の歌詞はあやふやなのに、この歌はフルコーラス歌えたのはこちらがびっくり。
「♪進軍ラッパいさましく」と私が歌ったら「進軍ラッパ聞くたびに!」と訂正された。
「おばあちゃんなーんでこの歌知ってんの?」と聞くと、それまでさまざまな問いかけにもモヤがかかったような答え方だったのに「兵隊さんが戦地さ行ぐどぎにみんなで神社さ集まって歌ったんでがす」と。
・・・歌って不思議だなあ。
昔覚えた歌は何十年も歌ってなくてすっかり忘れていても、それはちゃんと記憶の引き出しの中に入っている。
先日テレビで昭和のなつメロをやっていて、私も「恋の季節」とか「ブルーシャトー」とか勝手に歌詞が出てきてびっくりだった。
さて、実家訪問の楽しみはスーパーで買ってきて食べる新鮮な三陸の海の幸。
お刺身はいつ何を食べても新鮮でうまい!
今回はかつおが旬で2日連続かつおの刺身を買ってきて食べた。なんたって安いのよ。
それに「そろそろかな?」と心待ちにしていた三陸の夏の味覚ホヤと生ウニ。
殻つきのホヤはまだちょっと早かったのでパック詰めされたものを食べたが「ああーコレを食べないと夏が始まらない!」といった趣。
一口含めば磯の味が口いっぱい広がり、ほろ苦くほろ甘く少ししょっぱく少し酸っぱく。
そして牛乳瓶に塩水とともに詰められた生ウニの季節到来。
アツアツのごはんにちぎった海苔をしきつめてその上にビンからすくった生ウニをとろりとトッピング。口の中でとろけてこれ以上はないという甘やかな味わい。
ごはんの甘味とウニの甘味しょっぱみ、海苔の香ばしさの三重奏。
「父なる海よありがとう」って海の恵みに感謝感謝です。
(海=父かどうかは不明だが、母なる大地って言葉もあるくらいだからね)
実家で独居の父は、脳梗塞後の生活もなんとかなんとかやっている様子で安心した。
週に3日ヘルパーさんが来て週イチで理学療法士さんの訪問リハビリ。隔週で母の施設に一泊二日のショートステイ。
近所の人たちも訪れたりしてなかなか多忙なよう。
確かに歩く姿はよたよたして以前のようではないが、最近はまた簡単な調理もやっているようだし、畑にトマトやピーマンなど夏野菜も植えてあった。
なんとあんなに反対した車も運転しているようで、これはどうしたものか。
テレビが字幕モードにしてあった。
隣の若いもん(といってもアラフィフ)にやってもらったと。
耳の聞こえが悪いと以前言ったので一度私が字幕にしたのだが、「じゃまだ」と消したのだったが。
「『あまちゃん』(朝ドラ)のばあさんだぢが何言ってっかさっぱり聞けなくてわがんねもの」と。
じぇじぇ?
父だってバリバリの東北弁なのに?近所のじいさんばあさんだってドラマよりもっとなまってるのに?
それに「ばあさんだぢ」って・・・海女クラブのお姉さま方に80の父が言うとは失礼な。
私は毎日あの北三陸の言葉をエセだと思いながらも「なつかしいーー」とうれしく見ている。
観光協会の菅原さんと海女の長内さん、渡辺えりのダンナ役の人がしゃべると「うわ!ネイティブの発音!」とうれしくなるし。
まあどうやら、耳が多少あやしくなった年寄りには同じ東北弁でも公共放送では聞きづらいってことか。
おそらく今週から始まった「あまちゃん・東京編」は父にはさらに話の展開も言葉も理解不能だろうなあ。
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