5月に読んだ「永遠のゼロ」に触発されて6月になって靖国神社にも行き、大東亜戦争(太平洋戦争)関連の本も数冊読んだ。


「あの戦争は何だったのか・大人のための歴史教科書」保坂正康 新潮新書
「大東亜戦争を知っていますか」倉沢愛子 講談社現代新書
「靖国問題」高橋哲哉 ちくま新書
「靖国神社一問一答」石橋靖夫
「教科書が教えない歴史」藤岡信勝 自由主義史観研究会
ゴーマニズム宣言シリーズ「戦争論123」「台湾論」「沖縄論」「昭和天皇論」「靖国論」小林よしのり←このシリーズは思想に偏りありとは思うものの漫画なのでとてもとてもわかりやすい!


まあなんというか・・・この2か月ほど底なしの穴にハマった気分。
本を読めば読むほど、あの戦争について知れば知るほど「えええー!?そんなの聞いてないよ!」ということが書かれてあり、知らなかったことも多くとっても驚きました。
歴史は好きだし受験科目の日本史だって得意だったのになあー。
学校の歴史では教えられていなかったことだったんだなあー。

私が学習してきた歴史というのは、大東亜戦争時、日本はヨーロッパ列強国に支配されていたアジアの国々島々を独立する手助けするために戦った、というものだった。
アジアの人々に日本人はさまざまな技術を伝え言葉を教え現地の人々に感謝され、そのため今でも各国に親日家が多い、と。
ざっくり言えば「良いことをした」的な。

そして戦争というと、東京大空襲や沖縄戦のように空襲で一斉に町が焼き払われてしまったこととか広島・長崎の町が原爆でまるごと一瞬で消えてしまったこととか・・・。
まあこちらも一言でいえば「ひどいことをされた」的な。
これはあくまでも日本サイドからの見方でしかないよね。
それもある一面ではあるだろう。

が、そればかりでもなく。
日本が一連の戦争に突き進んでいった経緯、そして中国・韓国・台湾・南洋諸島など武力で植民地化したことなど、今回初めて詳しく知ることができた。

現在でも、韓国や中国・台湾の人々が「日本人はひどいことをした。日本人は嫌いだ」と言っていることがときおりニュースなどで報道される。
平和ニッポンで戦後教育を受けた私はどうしてそんなに根深いものがあるのか理解できなかった。
が、彼らは支配されたことを自国の歴史で教えられており、私たち日本人は教えられていない、ということなんだな。
アラフィフの私でさえそんなんだから、若い人たちはもっと知らないだろう。


小泉総理の時代、首相の靖国参拝が問題になったときがあった。
当時の私は靖国問題がどのポイントにあるのか認識不足だったので「他国からたたかれるようなトラブルのもとになることなら参拝なんてやめとけばいいのに」と思っていた。

が、その後、高齢者と関わる仕事をするようになり、少しずつ考えは変わる。
南方や満州に実際行って戻ってきた人の話を聞いたり身内を戦争で亡くしたりした人の話を聞く。
「みんな『靖国で会おう』と言って死んでったんだよ」「自分だけ生き延びて帰ってきてしまって・・・靖国の英霊になった皆に対してはずかしい」。
など涙ぐみながら言うお年寄りの言葉を聞くにつけ、靖国というのは他には変えられない特別な場所なのだなと思うようになる。
国営の慰霊施設なんかではダメなのだ。

そして、その後実際靖国神社に行き、「大東亜戦争は自存自衛のための闘いだったのだ」というさまざまな資料や英霊たちの遺書などに触れると・・・他国がどうのこうの言ったってこうして国の礎になって死んでいった人たちのおかげで今の日本があるのだから、という思いが強くなる。

「この美しい国を守るために」と命を賭した人々のこと、「お国のため」と愛する家族を戦地に送った人々のこと、そして「靖国で会おう!」と再会を誓って戦地に散っていった人々を思うと、靖国には行くべきと思うようになる。


が、ここにきて現在はまた少し違う思いがある。
歴史認識が違えば当然見方も違ってくるわけで。
靖国神社の位置づけや政治家の参拝に対してだって、何が問題点なのか正しく知れば賛成派反対派双方の考えはどちらもありなのだなと思える。
何が正しいとか何が真実とかそんなことではないのかも。
受け止め方や見る角度の違いにより考えが違ってくるのだから。

ただ・・・さまざま知ると、やっぱりあれは侵略戦争だったんだなーとは思う。
それでも、なんというか日清日露戦争からの経緯を知ると、開国したばかりの小さな日本という島国が大国相手に戦いを挑み、アジアのリーダーとしてアジア諸国をまとめ独立させようという気概があったことに恐れ入ってしまう。
ロシアや中国やアメリカに追いつけ追いこせと大それたことを実現しようとしたんだなあ、と。
またそういう上層部の考えにうまいこと乗せられて、多くの失われなくていい命が犠牲になった・・・。

戦争についてはこの流れでもっと知りたいと思うし、今聞いておかないと生の声は聞けなくなってしまう。
終戦時ハタチだった人たちが今年米寿88歳。
「永遠のゼロ」にもあったけれど、実体験した人たちに残された時間は少ない。


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