「天空の蜂」

2015年10月14日 日常
最後の最後まで気を抜けない手に汗握る展開。前半は子供救出!後半は犯人逮捕&巨大ヘリ墜落!
原作読んで結末知っていてもハラハラドキドキ。映像も大迫力。

そしてこの2時間ちょっとの間にいろいろなことを考えされられた。
巨大ヘリビッグBの開発者設計者、原発の設計者稼働者、自衛隊、警察それぞれがそれぞれの立場で精一杯のことをしているのに加害者になってしまうこともあるという悲劇。何が正しくて何が間違いなのか。

ラスト近く原発設計者三島(本木雅弘)が天空に向かって両手を広げる場面、なんだか泣けた。身を投げた息子を受け止めきれず死なせてしまった、という伏線があってのあの場面。
江口さんはテレビでも見るけど本木さんは映画でしか見ない。ひさびさ見たモッくんの演技は凄味を増していた。あるときは狂気をはらみあるときは慈愛に満ち。

原発サイドの人々だってこの国をより発展させるために、と始めたことだったろう。国を良くするどころか国を滅亡させかねない危険なものだなんて思いもしなかっただろう。
3.11を経験した今の我々は原発がどういうものか以前よりは知るようになった。
今は人が住めなくなった双葉町に掲げられていた「原子力 明るい未来のエネルギー」の標語も記憶に新しい。

原作小説が書かれたのは20年前。その当時は原発は明るい未来を描くものとしてとらえられていただろう。
それなのに、原発のさまざまな危険性がこの作品ですでに描かれていることに驚く。
保管されている使用済み核燃料を狙ってテロを起こせば半径250キロ以内の首都圏までが人が住めなくなることも。
人間が制御しきれないもの、原発廃棄物の処理の見通しがたたないものは廃止するしかないだろうと思うのに、政府の方ではとにかく稼働する気でいることも。そして民衆は思考停止に陥り沈黙の仮面をつけているかのようであることも。

読んでから見る派なので、先に原作読んでしまったけど、読まないで見た方が犯人がわからず臨むのでええっっ!!となって5倍くらいびっくりするのでは。
今だからこそ1人でも多くの人に見てもらいたい作品。

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