ああーすごい角田光代!
心の微妙な動きを描かせたら、というかモヤっと感じるザラザラした気持ちを言語化させたら天下一品!と思うのは角田光代と重松清。今回も期待を裏切らない、いやもうそれ以上。
読んでいる間さまざまなことを思い考える。
子育ての大変さ。幼児虐待。母親のあり方。実母との関係。配偶者との関係。義母との関係。孫のめんどうをみるということ。裁判員になるということ。
子育て中の理沙子が裁判員候補者に選ばれ、乳幼児虐待死の裁判に関わるというお話。
主人公理沙子は被告の水穂と年齢も境遇も似ているので気持ちがシンクロして自分も精神のバランスを崩し始めるが・・・。
いや、コレ私もシンクロしましたよ。
読んでいる間ずっと息苦しく心のずーっと心の奥のひだに塩を塗られる気分。
もう25になる息子が赤ちゃんだった頃の大変さを否応なく思い出された。25年も昔のもう思い出したくないこと、封印されてたことだよ?今さらのように白日のもとに引きずり出されさらされた気分。
子育てでつらい思いをした人ならものすごくよくわかるのではないか。
逆に言えば、手のかかる乳幼児と閉鎖空間で過ごすことの大変さを身にしみて味わったことがなければわからないのではないか。
閉ざされた部屋に赤ちゃんと二人。来る日も来る日も。オムツをかえてミルクをやって。泣かれて。泣かれて。泣かれて。ミルクも飲まず。寝ず。終わらない雑事や家事。
立場が違えば「子育てなんかそんなもの」「みんなやっていること」と切り捨ててしまえること。
だからこそ「どうして自分はうまく子育てができないんだろう、子育てを楽しめないんだろう」「子供がかわいいと思えないなんて母として人間として失格だ」と自分を責めてしまう。
そしてこんなにも自分の時間を削り自分をすり減らし犠牲にしているのに泣き続けられて・・・。
もうコレ自分のことだか水穂のことだか理沙子のことだかわかりません。
母親はいろいろな言葉や情報や思い込みに追い詰められる。育てにくい息子との日々はとてもつらかったから、虐待で死なせてしまった水穂の状況は手にとるようにわかる。
一歩間違えば私も裁判の被告人だったと思うからほんとに他人事ではない。
この話には何人かの母親が出てくる。自分も歳を重ね若いおかあさんの母親世代になっているのでこちらも身につまされた。
娘や嫁を助けようと心配して良かれと思って一生懸命アドバイスしたり時には仕事を休んで手助けに行く母や義母。それなのに娘(嫁)にすべてを悪くとられる。
または変に口出しや手出しをすると娘との関係が悪くなるから、と関わりが薄かったりすると、娘や孫がかわいいと思わないのか?普通の親子関係ではない、と判断される。
良かれと思っていろいろやっても、遠慮して手出しをがまんしていても悪意で受け取られてしまうのだとしたら、娘の子供ましてや嫁の子供になんて何もできやしないよねえ。
ふとした拍子に一線を超えてしまう。超えるか超えないかは紙一重。他人事ではない。
心の微妙な動きを描かせたら、というかモヤっと感じるザラザラした気持ちを言語化させたら天下一品!と思うのは角田光代と重松清。今回も期待を裏切らない、いやもうそれ以上。
読んでいる間さまざまなことを思い考える。
子育ての大変さ。幼児虐待。母親のあり方。実母との関係。配偶者との関係。義母との関係。孫のめんどうをみるということ。裁判員になるということ。
子育て中の理沙子が裁判員候補者に選ばれ、乳幼児虐待死の裁判に関わるというお話。
主人公理沙子は被告の水穂と年齢も境遇も似ているので気持ちがシンクロして自分も精神のバランスを崩し始めるが・・・。
いや、コレ私もシンクロしましたよ。
読んでいる間ずっと息苦しく心のずーっと心の奥のひだに塩を塗られる気分。
もう25になる息子が赤ちゃんだった頃の大変さを否応なく思い出された。25年も昔のもう思い出したくないこと、封印されてたことだよ?今さらのように白日のもとに引きずり出されさらされた気分。
子育てでつらい思いをした人ならものすごくよくわかるのではないか。
逆に言えば、手のかかる乳幼児と閉鎖空間で過ごすことの大変さを身にしみて味わったことがなければわからないのではないか。
閉ざされた部屋に赤ちゃんと二人。来る日も来る日も。オムツをかえてミルクをやって。泣かれて。泣かれて。泣かれて。ミルクも飲まず。寝ず。終わらない雑事や家事。
立場が違えば「子育てなんかそんなもの」「みんなやっていること」と切り捨ててしまえること。
だからこそ「どうして自分はうまく子育てができないんだろう、子育てを楽しめないんだろう」「子供がかわいいと思えないなんて母として人間として失格だ」と自分を責めてしまう。
そしてこんなにも自分の時間を削り自分をすり減らし犠牲にしているのに泣き続けられて・・・。
もうコレ自分のことだか水穂のことだか理沙子のことだかわかりません。
母親はいろいろな言葉や情報や思い込みに追い詰められる。育てにくい息子との日々はとてもつらかったから、虐待で死なせてしまった水穂の状況は手にとるようにわかる。
一歩間違えば私も裁判の被告人だったと思うからほんとに他人事ではない。
この話には何人かの母親が出てくる。自分も歳を重ね若いおかあさんの母親世代になっているのでこちらも身につまされた。
娘や嫁を助けようと心配して良かれと思って一生懸命アドバイスしたり時には仕事を休んで手助けに行く母や義母。それなのに娘(嫁)にすべてを悪くとられる。
または変に口出しや手出しをすると娘との関係が悪くなるから、と関わりが薄かったりすると、娘や孫がかわいいと思わないのか?普通の親子関係ではない、と判断される。
良かれと思っていろいろやっても、遠慮して手出しをがまんしていても悪意で受け取られてしまうのだとしたら、娘の子供ましてや嫁の子供になんて何もできやしないよねえ。
ふとした拍子に一線を超えてしまう。超えるか超えないかは紙一重。他人事ではない。
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