折しもトランプさんと安倍ちゃんの会談や北朝鮮のミサイル騒ぎもあり、一気に読みました!
なんかちょっと「ガマくんとカエルくん」的なメルヘンな装丁の本。
でも百田尚樹だから何かしかけがあるよね?と思いながら読み進めていくと、あー!コレはっっっ!とその巧さに感心し、カエルたちの行く末にドキドキしながらラストまで一気!

アマガエルのソクラテスとロベルトは他のカエルからの虐殺を逃れてやっと生き残り、ツチガエルの国ナパージュにたどり着く。そこは争いもなく食べ物の心配もいらない、みんなが親切な「カエルの楽園」。

これね、読んでいくとすぐわかるのだけど現状の例え。
天然の要塞のような崖に囲まれたナパージュはわが国「日本」。小島の崖の上をパトロールして敵に脅威を与え守ってくれている鷲スチームボートは「アメリカ」。
そして「カエルを信じろ。カエルと争うな。争うための力を持つな」という「三戒」は「憲法9条」。
ナパージュのカエルたちは「三戒」のおかげで平和が守られていると盲目的に信じている。われわれが平和なのは「三戒」があるから。平和を愛する闘う力を持たないわれわれを敵も絶対攻めてはこない、と。
「三戒」は実は初めはスチームボートが作成。初めは「スチームボートを信じろ。スチームボートと争うな。争うための力を持つな」だった。

南の崖は「東シナ海」。南の崖を登っていつのまにか入ってきているウシガエルは「中国」。それを武力で対抗しようというハンニバル三兄弟は「自衛隊(陸海空の3つ)」。来るべき危機に備えてトレーニングをしていて実際ウシガエルが侵入してきたときに追い払うのだが、三戒を破ったとして見せしめに1人は殺され2人は腕を切り落とされ目をつぶされる。

スチームボートに「自分はもう老いて自分を守るので精いっぱい。自分が戦うときはナパージュのカエルたちも一緒に戦ってほしい」と言われ「われわれは三戒があるから戦えない!」と反発するのは「集団的自衛権」の問題。

「三戒」を盲目的に信じて、周囲の現状を見て見ぬふりをして思考停止。
もうスチームボートはいらない!と追い払い、さらにハンニバル兄弟の武力を封じた結果どうなったか?
脅威がなくなったウシガエルは南の崖からどんどん侵入し、ナパージュのツチガエルたちは手足をもぎとられ食われ、女子はもてあそばれ、領土はのっとられ悲惨な結末に。

ナパージュのツチガエルたちの愚かさが、ああこれって私たちだよね?平和に慣れ過ぎていてこれがずっと続くと信じてる・・・社会情勢はそうではないのに思考停止し、そのために悲惨な結末を迎えてしまうかも?と。
豊かな国土と資源を持ち、勤勉で疑うことを知らない日本人ってのは世界から見たらチョロいもんなんだろうね。

難しい話も言い回しもなくて簡単な文章でスラスラ読める。きっと小学生でも読める。
それなのにハッとさせられ、ものすごく考えされられる。あらためて百田尚樹すごい!と思った一作。

コメント

ありす
2017年2月14日7:53

わあ!面白そうですね♪百田ワールド大好きです。

磯野コンブ
2017年2月14日19:33

ありすさま
百田さんの書いたものはとっても読みやすくてスイスイ行きます。「カエルの楽園」も平和ボケした日本人への喝!なのでたくさんの人が読めばいいのにと思います。が、思想的な発言も多くてこの本も目立たないところに置く本屋さんもあるみたい。

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