「クリード 炎の宿敵」
書くのが遅くなったけど2019初映画は「クリード 炎の宿敵」。
魂を揺さぶられ手に汗握って熱くなって。
泣けた!!映画館でなかったら号泣してたレベル。
ここぞ!というところで流れるロッキーのテーマが胸を熱くさせ心にしみる。
ボクシングのシーンはもちろん圧巻なのだけど、それだけのうすっぺらい映画ではない。

ロッキーは頂点を極めてフィラデルフィアに銅像まで立つ英雄。なのに最愛の妻エイドリアンを亡くし一人息子ロバートとも疎遠になったままのひとり暮らし。

アポロの試合を止められずに死なせてしまったことやあまりにも有名すぎる父親だったために息子と距離ができてしまうことなど、人生長く生きていれば背負うものはある。
ロッキーの声や話し方、慈愛をたたえたまなざしが人生の深みを感じさせ、頂点も極めたけれどどれほどの辛さ苦しさもあったかと。

2度の離婚を経験し息子を亡くしたスタローンの人生ともあいまって胸に迫ってくる。息子が生きていたら映画の中のようにかわいらしい孫に「おじいちゃんだよ」と会えただろうに。どんな気持ちでスタローン自身が演ったかと思うと胸が苦しい。

そしてドラゴ。「ロッキー4」のときは殺人マシンかというほど冷徹。
が、同じドラゴとは思えないほどやさぐれて深くしわが刻まれている。この姿だけでどんな人生を送ってきたか伝わる。
国から負け犬の烙印を押され嫁に捨てられ貧乏暮らしに。ドラゴ親子にはあの「ロッキー4」のときからここまでどれだけの苦悩があったか。
だからこそ息子ヴィクターがアドニスにやられそうなとき、タオルを投げて「もういいんだ」と試合を止めたとき泣けて泣けて。

人が年齢を重ねて人生を歩んでゆく。そして新たな世代にバトンは受け継がれてゆく。
ラスト近く、新たなチャンピオンがいる光に包まれたリングを見るロッキーの背中。そこには「CREED」と大きく描かれていた。
生きていくってことは、親子であるってことは、家族であるってことは。もっと素直に愛を伝えて、次の世代にバトンを渡していいってことなのかなと思った。

スタローンがロッキーを演るのはこれが最後だという。若いころの私はどれほどあのロッキーのテーマに勇気づけられ奮い立ったことか。
そして歳を重ねてからの「ロッキーファイナル」「クリード」シリーズでもまたロッキーの生きる姿勢にさまざま教えられていると思える。

ロッキーありがとう!スタローンありがとう!
そしてアドニス・クリード。守るべきものがあるということは弱くも強くもなることなのだな。

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