実家から持ってきた父の車の名義変更も済み、17年乗った私の車を車屋さんに持って行く日。
洗車して車内も掃除して汚れを落として。「車とのお別れ」とネットで調べて、お酒と塩をボンネットにのせて「今までありがとう」とお礼をする。
車にはなんのこだわりもない。動けば良かった。
ボンネットを開けたこともないし掃除をしたこともあまりない。窓とか拭いた程度。車を丁寧に扱いしょっちゅう磨いているダンナのおかげで私の車もついでにキレイになっていた。
私の車としては3台目。
実用第一で走ればいいからすべて税金の安い軽自動車。
1台目は独身のときの出勤用。
節約のため夏場のクーラーはなし(北国だったし)。とにかく安いやつ、と。結婚して関東圏に持ってきたはいいけどこの暑さで乗れず。
しかも調子に乗って「街」に出てタクシーにぶつけてしまいアウト。それからしばらくは怖くて乗らなかった。
2台目は子供移動用。
子供が2人になって幼稚園やプールの送迎やらの必要に迫られて。
そのときもとにかく走ればいい、とたまたま車屋さんで見かけた中古20万くらい?だったかな。買い物や子供の移動は楽になったけどこれはカーブで曲がるとアルミホイールがよく外れた。カラカラカラカラーン!と勢いよくはずれたのを何度とりに引き返したことか。走る前にアルミホイールを蹴ってはめるという作業必須だった。
それにやはり夏場はエアコンがほとんど効かずめちゃ暑かった。
そんな車に乗っているのを上京した亡き母が見て「あんなのに乗ってたんじゃ心配。新しいちゃんとしたのを買いなさい」とお金を出してくれて買ったのが17年乗ってた車。
買ったときも車屋さんに行ってたまたまあったのでまあこれでいいか、と決めたのだった。
ホイールがはずれる中古のが紺色で汚れが目立って大変だったからとにかく汚れが目立たない色で車高が高めのやつで、と。
そして17年。私の足代わりによく走ってくれた。車は必需品。この秋に車検を通したばかりだったのでこんなことにならなければあと2年は乗るつもりだった。
車の運転そのものが好きなわけではないのでここらのちょい乗りばかり。
それでも車は走る専用個室でひとりの心地よい空間。
夏場は暑くてダメだけど、秋から春にかけては仕事帰りに日当たりのいい公園やスーパーの駐車場に止めてスマホでゲームしたり本や雑誌を読んだり歌の練習をしたり。家に帰ると待ったなしでポメ子の相手をしなきゃいけないし、家は日当たり悪くて寒いけれど車の中はポカポカ明るい。
朝ポットに入れて持って出たコーヒーやちょっとしたおやつなどあれば最高。
家に帰る前に良さそうなところで車を止めてほっとひと息つくのは大好きな時間。
車に思い入れはないはずだったのに。
それなのにいざお別れとなると悲しかった。
17年間のいろいろなことが思い出された。
お別れの前の日も当日も何度もありがとうを言いハンドルやボンネットをなでた。
約束の時間になってダンナの運転で車庫から出て行く私の車を見送る。
ハザードをチカチカさせながらゆっくり発進して右に曲がって見えなくなったら涙が出そうになった。
これからはこっちの車。よろしく頼むよ、と車庫に残されたシルバーの父の軽自動車を見る。
父が使っていた車は3年目。小型犬とすれば3歳は人間の28歳。めっちゃイキのいいお年頃。
それまでの歴代の車に今ひとつ愛着がわかないでいたのは名前をつけなかったから?とふと思い、父の車に「銀ちゃん」と呼びかけてみる。商用車みたいなシルバーだから。
28歳の若い男の子銀ちゃん。うん悪くない。
それまで乗ってたのは17年なので人間とすれば89歳。え89歳!あと2年乗ろうと思ったんだけど。
ちょい乗りしかしてないのでそんなばあさんには見えなくてシャンパンゴールドの彼女はシュッとしてた。
銀ちゃんと名付けてから思う。名前なんかつけてしまったらそれこそ乗り換えられなくなるのでは。
いやいや、最後くらいは気に入ったかわいいのに乗りたい。今までだって次はパールピンクのコレかな?まあるいおめめのコレかな?なんて考えてたんだから。
そう思って自分の年齢と車の年数を考え合わせると。あれあれ?
私も先がそんなにないんだからこれは銀ちゃんと添い遂げることになってしまうかもしれないね。
洗車して車内も掃除して汚れを落として。「車とのお別れ」とネットで調べて、お酒と塩をボンネットにのせて「今までありがとう」とお礼をする。
車にはなんのこだわりもない。動けば良かった。
ボンネットを開けたこともないし掃除をしたこともあまりない。窓とか拭いた程度。車を丁寧に扱いしょっちゅう磨いているダンナのおかげで私の車もついでにキレイになっていた。
私の車としては3台目。
実用第一で走ればいいからすべて税金の安い軽自動車。
1台目は独身のときの出勤用。
節約のため夏場のクーラーはなし(北国だったし)。とにかく安いやつ、と。結婚して関東圏に持ってきたはいいけどこの暑さで乗れず。
しかも調子に乗って「街」に出てタクシーにぶつけてしまいアウト。それからしばらくは怖くて乗らなかった。
2台目は子供移動用。
子供が2人になって幼稚園やプールの送迎やらの必要に迫られて。
そのときもとにかく走ればいい、とたまたま車屋さんで見かけた中古20万くらい?だったかな。買い物や子供の移動は楽になったけどこれはカーブで曲がるとアルミホイールがよく外れた。カラカラカラカラーン!と勢いよくはずれたのを何度とりに引き返したことか。走る前にアルミホイールを蹴ってはめるという作業必須だった。
それにやはり夏場はエアコンがほとんど効かずめちゃ暑かった。
そんな車に乗っているのを上京した亡き母が見て「あんなのに乗ってたんじゃ心配。新しいちゃんとしたのを買いなさい」とお金を出してくれて買ったのが17年乗ってた車。
買ったときも車屋さんに行ってたまたまあったのでまあこれでいいか、と決めたのだった。
ホイールがはずれる中古のが紺色で汚れが目立って大変だったからとにかく汚れが目立たない色で車高が高めのやつで、と。
そして17年。私の足代わりによく走ってくれた。車は必需品。この秋に車検を通したばかりだったのでこんなことにならなければあと2年は乗るつもりだった。
車の運転そのものが好きなわけではないのでここらのちょい乗りばかり。
それでも車は走る専用個室でひとりの心地よい空間。
夏場は暑くてダメだけど、秋から春にかけては仕事帰りに日当たりのいい公園やスーパーの駐車場に止めてスマホでゲームしたり本や雑誌を読んだり歌の練習をしたり。家に帰ると待ったなしでポメ子の相手をしなきゃいけないし、家は日当たり悪くて寒いけれど車の中はポカポカ明るい。
朝ポットに入れて持って出たコーヒーやちょっとしたおやつなどあれば最高。
家に帰る前に良さそうなところで車を止めてほっとひと息つくのは大好きな時間。
車に思い入れはないはずだったのに。
それなのにいざお別れとなると悲しかった。
17年間のいろいろなことが思い出された。
お別れの前の日も当日も何度もありがとうを言いハンドルやボンネットをなでた。
約束の時間になってダンナの運転で車庫から出て行く私の車を見送る。
ハザードをチカチカさせながらゆっくり発進して右に曲がって見えなくなったら涙が出そうになった。
これからはこっちの車。よろしく頼むよ、と車庫に残されたシルバーの父の軽自動車を見る。
父が使っていた車は3年目。小型犬とすれば3歳は人間の28歳。めっちゃイキのいいお年頃。
それまでの歴代の車に今ひとつ愛着がわかないでいたのは名前をつけなかったから?とふと思い、父の車に「銀ちゃん」と呼びかけてみる。商用車みたいなシルバーだから。
28歳の若い男の子銀ちゃん。うん悪くない。
それまで乗ってたのは17年なので人間とすれば89歳。え89歳!あと2年乗ろうと思ったんだけど。
ちょい乗りしかしてないのでそんなばあさんには見えなくてシャンパンゴールドの彼女はシュッとしてた。
銀ちゃんと名付けてから思う。名前なんかつけてしまったらそれこそ乗り換えられなくなるのでは。
いやいや、最後くらいは気に入ったかわいいのに乗りたい。今までだって次はパールピンクのコレかな?まあるいおめめのコレかな?なんて考えてたんだから。
そう思って自分の年齢と車の年数を考え合わせると。あれあれ?
私も先がそんなにないんだからこれは銀ちゃんと添い遂げることになってしまうかもしれないね。
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