施設の父への送りもの

いつもと変わらないダイアリー。
こんなダラダラした文章を書いてもいいのは「日記」というなまえのここだから、と思う。ダイアリーさんありがとうございます。

施設の父にジュースやお菓子を送った。
春先にも一度送っていて喜ばれたし5月は父のお誕生月だから誕生日に合わせて。
野菜ジュースやバナナスムージー、かりんとう、ぬれせんべい、袋和菓子、ナッツとドライフルーツ、パイナップル缶詰、さきいか、麩菓子などなどみかん箱に詰めた。

「じいちゃんはコレが好きかな？」と何を送るか考えるのは楽しい。
そうだ、お誕生日だからカードも送ろう、と100円ショップで買ったカードに一筆添えた。
私と父は誕生日が同じ。「私たちは緑がキレイな5月生まれで良かったね！」。

前に送ったときは「食べ過ぎる人もいるから施設の方で管理。食事やおやつやリハビリのあとなどに少しずつ出してくれる」と父に聞いていた。
そうなんだ。
でもそうなると何か送られた人に対するやっかみみたいなのがないのかな？
100人弱いる入所者のみなさんにそれぞれ何か送られるとしたら施設の方も管理が大変なのでは？
など思ったが、管理してもらえば一度に食べてしまうこともないし、口を開けたまま放置して傷んでしまったものを食べる、ということもないから安心か。とも思った。

とりあえずいろいろ詰めて送る。
よかったよかった喜んでもらえる、と思っていたら。
妹から電話。
「おねえちゃんが送ったお菓子でじいちゃんトラブったみたい」。
・・・え！！！

施設から妹に入った連絡。
「前に送られたものがどれくらい残っているか知りたくて、他の人に送られた箱を開けていた」
「前に送ったものがあんなに早くなくなるのは施設の職員が食べたからだろう、と言った」
「あんたたちは信用できないから自分の部屋に置いて自分で管理する、と言いはった」。
結果、しょうがないので「小さい冷蔵庫を娘さんに買ってもらってくださいね」と言いケアマネさんがダンボール箱を父の部屋に運んだとのこと。

あっちゃーー・・・。良かれと思ってしたことがこんなトラブルのもとになるとは。
「喜んでもらえるかな？」どころではなく人様に多大なご迷惑をおかけすることになるとは。私も頭を抱えた。
お世話になっている職員さんたちを泥棒扱いし、あやしくなってるのに自己管理すると言い張る。まさに認知症の人。

妹は電話で「もうね。ケアマネさんも食べ過ぎて腹をこわしたらそれでしょうがないですね、って感じだったよ。それほど人の話聞く感じじゃなかったみたい」。
はあーー・・・。

入院して9ヶ月。施設に入ってはや6ヶ月。
コロナで近くにいる妹の面会もなしで施設の中にいるだけ。外の様子も窓から見るだけだから「寒いか暑いかもわからないし、いつ桜も咲いたもんだか」と父。
父はなんでもかんでもずっと自分でやってきた人なので、施設で「特にやるべきことがない」のはつらいだろう。
そんなんじゃ私が父の立場でも頭がおかしくなるだろうな。

ジュースは紙パックで要冷蔵ではないし、お菓子類も個包装ですぐ悪くなるものでもない。冷蔵庫は必要ないだろうと思う。
それにしても。
最近の父は何かの拍子にスイッチが入るとカッカッとなってまともな判断ができなくなる感じはある。
妹にもさんざん電話で暴言を吐いている。いったん落ち着けば「あのときは悪かった。言い過ぎた」となるらしいが。
そうやってあっちとこっちを行きつ戻りつしてあっちの世界の人になってしまうんだろう。

その日の夜に父から電話。
「いっぱい送ってもらってどうもありがとう。こっちは何もできなくて悪いね」と穏やかでいつもと変わらない父だった。
「前は預かってもらってて少しずつ出してもらってたのに、今回は部屋に置くことにしたの？」「職員さんと何かケンカしたの？」など聞いてみたが明確な答えはなし。
「今回は箱ごと持ってきて部屋に置いてった。娘さんに冷蔵庫買ってもらったら？って言われた」。
あまり問い詰めてもしょうがないと思ったから「預かってもらったほうが安心なのにね」と言うくらいにした。

「ときどきは何か送ろう」と思っていたがトラブルのもとになるならもうやめたほうがいいのか。
苦い思いが残った父と私の誕生日だった。