ポメ子 心臓手術その2
ポメ子 心臓手術その2
手術の日は緊急連絡に備えてホテル泊。
連絡もなく朝を迎えたことに感謝。

午前中、先生の話を聞きに行く。
「まだきのうのきょうで麻酔がきいてるからぽやぽやしてますが、表情はわりとしっかりしている方です。
まだ急変の可能性もありますが、今のところ血液検査数値も想定内です。心臓も小さくなっています。
お水は自分で飲みました。ごはんはきょうのお昼からです。導尿もしています。
酸素室の酸素濃度は30%、きょう20%に下げてみます」。

案内されてICUへ。
10個ほど酸素室が並んでいて術後のわんちゃんたちが横たわっている。
顔を上げてこちらを見ている子もいる。チワワかな。ポメ子よりずっと小さいわんちゃんが多いかな。
みんなちっちゃい体でよくがんばったね。

いちばん奥にポメ子。
顔を上げて笑い顔にはなっているものの目も耳も不安げ。
なんだかわからないままに心臓を止める大手術をしたんだものね。ほんとによくがんばった。
マットや薬といっしょに預けたバッグにつけていたお守り。酸素室に貼ってもらっていた。ポメ子と娘とお参りに行ったときのもの。
よかった!

ここ数日「これでポメ子とお別れかもしれない」という気持ちをかかえたまま過ごしていた。
少し色づいた葉も天高くなる青空もポメ子との最後の時間を彩るもののような気がした。
ポメ子が私を見て笑うのも。トイレやお風呂の前で待っているのも。となりに来てゴロンと横になり白いお腹を見せるのも。
すべてが「おかあさんだいすきだよ。楽しかったよ。ありがとうね」と言っているような気がして。

肺水腫を起こした子が1年後に生きているのは半数なので手術そのものに迷いはなかった。
肺水腫後に3倍に増えた心臓薬も利尿剤もこのまま長く飲み続けるのはポメ子の体に良くないだろう。
このままなら最終的には薬は5倍にもなり酸素室をレンタルすることにもなる。病院に行くことも増える。毎月の出費は10万では足りないかも。
治る見込みもなくお金の負担がふえるばかりではそのことが精神的苦痛にもなる。
それなら思い切って手術したほうがいい。

だけど。
もしかしたら手術で、手術の合併症でそのまま逝ってしまうかもしれない。
手術に送り出したまま、もう二度とふわふわであったかいポメ子にさわることも、しっとりと重いポメ子をだっこすることもないかもしれない。
でも。
麻酔で眠っているまま逝くのだとすれば。
この先加齢による病気などで亡くなるよりも苦しまないで逝けるのかな。
それはそれでいいのかな。とも思い、気持ちは行ったり来たりした。

7月に入って気温と湿度が上がってからの2ヶ月。8月末に肺水腫を起こしてからの1ヶ月。
毎日毎日が「きょうを乗り切れるか?」という綱渡りのような気持ちだった。
ハアハアしていれば室温を下げたり、横になって寝ていればお腹の上下をタイマーで数えて「心拍、呼吸数だいじょうぶ」と思ったり。
夜中は必ず暑くて?起きてハアハアするので私も心配で目が覚めたり。
9月には台風が2つ近づいて気圧がさがり気が気ではなかった。

夏になってから朝まで通して自分が寝たのは数えるくらい。
朝「おかあさん、おはよう」とポメ子が元気に活動し始めてやっと「きょうもだいじょうぶだった。夜を越えた。良かった」と思うことの繰り返しだった。

その長かった日々を思うと。
手術当日あっさりと預けることになり、予定より早く順調に手術も終わり、次の日にはもう心臓も小さくなっているとは。
思い悩んでいた日がうそのようにあっという間に手術は終わった。

続きます。

写真1枚目 酸素室の中のポメ子
写真2枚目 手術前日お散歩に

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