「おかえりモネ」最終回
「おかえりモネ」最終回
「おかえりモネ」終劇。

キラキラ光る気仙沼の海も浜も空も尊い。
ラストの海の場面などはこの世のものとは思えない美しさ。

俺たちの菅波は2年半の時空を超えて安定の青チェックシャツで降臨。
りょーちん親子のはじける笑顔も最高。
同級生たちも良かった。大人たちも良かった。
それでもまるっとまとめにかからずコージーに「そんなもんじゃねえだろ。そんなに簡単じゃねえだろ」と言わせる。
脚本の妙。すばらしい。

私は録モネを毎回じっくり見たけど、朝何かをしながら時計がわりに見るドラマではなかったね。
流し見してたら「なんだか朝から暗いドラマだな」と思うんだろうな。
役者さんたちの細かい表情ひとつひとつがよかったし、しみる言葉もたくさんあった。
朝ドラの元気なヒロインが苦手な私には良きドラマであった。
ご都合主義は多々あったけど、うるさい、カンに触る人物がいなかったのが何より。

モネがこのあとどうするのか(仕事で結果出せる?島にずっといる?菅波とはどうなる?)はわからなかった。
けど、まあいいか。
現実だってはっきり答えがあるわけじゃないし、そこにとどまらなくたって何かに縛られなくたっていい、ってことをドラマで言ってたよね。

コロナから2年半後の近い未来。
「都会」から「東北の島」に来た「医療従事者」ともマスクなしで安心してハグできる。
そんな未来を見せてくれた。

あえてカギカッコつけてみたのは、私自身がコロナ禍で故郷とすっかり分断されてしまったから。
気仙沼にほど近い私の故郷あたりでは「都会から来た人」はものすごく警戒される。
「感染拡大地域」から来た人と会ってしまうと、デイサービスも行けずヘルパーさんも来れなくなる。保育園も行けない。通院時にも「県外の人と会ってませんか?」とチェックされる。
「都会から娘来てるよ。コロナ運んできたんだべが?」と近所のウワサになる。

そんな話を身内から聞くと「ここは感染拡大地域のわれわれが足を踏み入れてはいけない場所なのだ」とうかつに実家にも行けない。
そろそろいいかと思った先月でもそうだった。
立場が逆になればそれはあたりまえで「都会から来た人」は警戒して当然。

そんなこんなを思うと、モネと菅波も周囲からの風当たりは強かっただろうし、いろいろ思うことはあっただろう。
船出したりょーちんも銀行を辞めたコージーも東京に行ったみーちゃんも突然のコロナでこの2年半どうして暮らしていただろう。とにかく大変だっただろう。

だからこそ最後の海の場面がよりいっそう尊く心にしみるのだった。

少し先の未来は、首都圏から行くわれわれが「感染拡大地域から来た人」と警戒されない、そんな世の中になっているかな。

津波とコロナ。地方と都会。
故郷を出た人と残った(残らざるをえなかった)人。
私自身「故郷を出た人」で「気持ちは故郷とともにあるけど現実を考えると戻りたくない人」だからよけいいろいろ考えちゃうんだよね。
いろいろ考えさせられるドラマでした。

安達先生ありがとう。

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